和商市場の勝手丼〜帯広へ

夜明け前、東の空が赤く染まりはじめると、星の瞬きが力を失って行く。少し多めに着込んで外へ出ると、引き締まった冷気が頬を刺すようだ。足元では凍り付いた落ち葉がパリパリと音を立て、森全体がガラスの粉を振りかけたような輝きを放つ。知床の稜線が紅色のシルエットとなって浮かび上がる静寂の時に、オオカミたちの遠吠えだけが響き渡っていた。

馬のモンタと一緒に見送ってくれた桑原さん

桑原夫妻と馬のモンタに別れを告げ、今日の目的地帯広を目指す。往路と同じ阿寒横断道路で内陸部を進むルートも考えたが、10年前に釧路で食べた昼食が忘れられず、摩周国道を南下して海岸線を行く事にした。抜けるような青空の下、緑の草原で乳牛が草を食み、赤い屋根のサイロが並ぶ、いかにも北海道らしい風景が続く。やがて下り坂が続き針葉樹の森を抜けると、シラルトロ湖の向こう側に、広大な釧路湿原が見えてきた。

「勝手丼」その名の通り好きな海鮮でランチタイム

釧路市民の台所「和商市場」は海産物を中心とした様々な食材を扱う店舗が軒を連ねる、釧路で最も歴史のある卸売市場だ。ここで名物になっているのが「勝手丼」。まずは5種類のどんぶりから好みのサイズを選び、ご飯をよそってもらう。各店舗を巡りながら好みの海鮮を選んでトッピングすれば、自分だけのオリジナル海鮮丼の出来上がりとなる。まさに「勝手丼」とは分かりやすいネーミングだ。価格もリーズナブルで、口の肥えた地元民にも人気が高い。10年ぶりの味に舌鼓を打って釧路を後にした。

海岸線のルートは思わずスピードが上がりそうになる

釧路からは海沿いの道を西へと進む。白く泡立つ大きな波が打ち寄せる美しい景観を眺めながら走ると、思わずペースが上がりそうになるが、オービスやパトカーの数が多い。直線主体で道幅も広く、気持ちよく走れるし、海の景観がすばらしくよそ見運転をしそうになるため、事故多発道路なのかもしれない。慎重にスピードを抑えながら走る事にする。西日を反射してギラギラと輝いていた海岸線を離れると、今日の目的地、帯広はもうすぐそこだ。

装着が簡単な「バイアスロン クイックイージー」

東北・北海道編の旅ではスタッドレスタイヤを装着しているが、冬の北国ではハードな雪道に遭遇する事がある。そんな時にはやはりタイヤチェーンの装着が安心だ。カーメイトの非金属チェーン「バイアスロン クイックイージー」は、まさかのアイスバーンにもしっかり食いつき、止まる、曲がるの限界を引き上げてくれる。その名の通り簡単に手早く装着できるため、女性や初心者でも簡単に扱えるのが一番の特徴だ。装着テストをしてみたが数分であっという間に完了。これで、雪に遭遇してから慌てて説明書を読んだり、装着に手間取る事はないだろう。

ソーラーバッテリー装着のガーミンポータブルナビ

エマージェンシーツールとしてもう一点、折りたたみができる柔らかいシート状のソーラーバッテリーを装備した、ガーミンのポータブルナビゲーションシステムを持参している。クルマを降りて散策する時にも便利に使えるし、災害などの緊急時にもソーラーバッテリーが活躍してくれるだろう。

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