9月 19日 2012

森に囲まれた牧場にある「かまど」

森に囲まれた牧場にある「かまど」

GazooMura仙北の自然豊かな森に包まれた「農家民宿かまど」は、古民家を移築し、主人自ら時間をかけて手作りした“ぬくもり”の宿。出迎えてくれる田口さんご夫婦の素朴だが心の込もった饗しは、旅の宿泊先というより、田舎の実家へ帰ったようなホッとした気持ちにさせてくれる。

「かまど」を営む田口さんご夫妻

「かまど」を営む田口さんご夫妻

仙北市の民宿では15年程前から立教大学の農業体験ゼミに参加する学生を誘致し、ムラぐるみで交流を続けている。在学中に続けて参加する学生も多く、卒業して社会人になった後に訪ねてくれる若者もいるという。今日も2人の女子大生が「かまど」に滞在するため、荷物を抱えて送迎車から降りて来た。今日一日、家族としてここで過ごす事になるのだが、何しろボク達は彼女たちの父親の年齢を越えた“おじさんグループ”。嫌われないように努めて明るく挨拶を交わすと、屈託のない笑顔で応えてくれたので少しほっとした。日暮れ時になると民宿にいる全員が囲炉裏端に集まり家族団らんのような賑やかな夕食会。女将さんの手料理に舌鼓を打ちながら、ご主人のユーモアたっぷりでリズミカルな秋田弁に笑いが絶えず、あっという間に夜は更けて行った。縁側に座ってふと見上げると、マチでは見る事のできない漆黒の夜空に、雲と見まごうような美しい天の川が地平線まで続いていた。

囲炉裏端の食事は会話も弾む

囲炉裏端の食事は会話も弾む

広大な敷地には駒ケ岳の豊富な伏流水を引き込んだ小川が流れ、大小いくつかの池を経由して下流へと注ぐ。森に隣接した谷間を埋める草原では牛がのんびりと草を食む、何とも牧歌的な景色の中、女将さんの手ほどきで手作りバター体験が始まった。生乳と水に塩をひとつまみ瓶に入れて素早く振り続けると、腕がくたびれた頃、脂肪分が固まりだし新鮮バターの出来上がりとなる。これをすくって蒸かしたてのじゃがいもに乗せて食べる。初秋の澄み切った青空の下の贅沢とはこの事、頬が落ちそうな美味さだ。

手作りバター体験



手作りバター“いただきます

手作りバター“いただきます

駆け足のように短い滞在が悔やまれるが、よく語り、よく食べ、そしてよく笑う「マチとムラを繋ぐガズームラ」を満喫した一日だった。

民宿「かまど」の田口さんご夫妻をはじめ、囲炉裏端で食事を共にし、酪農体験や流しそうめんまでご一緒させていただいた立教大学の堤さん、櫻井さん、ありがとうございました。

明日は、数少ない純国産エネルギー「地熱発電」を紹介します。



カテゴリー: エコミッション2012,秋田県

トラックバック Uri

コメントは停止中です。