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観音崎自然博物館

 

観音崎自然博物館

観音崎に生息する身近な生物が見られます ミヤコタナゴにあえます

エコミッション・ジャパンが取材に訪れた訪問地もこれまでで36ヶ所。そして今回取材させていただいた神奈川県横須賀市の観音崎自然博物館が最後の訪問地となります。

ふつう博物館と聞くと館内はシーンと静まりかえり、静かに展示物が並び、何一つ動くものもなく、あるボタンを押せば機械的に動く模型や機械的な音声が流れるといったものがあるなど想像しがちですが、ここ観音崎自然博物館では少々状況が違っていました。最初に「ギャーギャー」と大きな鳴き声で我々を迎え入れてくれたのはカラフルで大きなインコでした。一歩館内に足を踏み入れるとそこには「リーン、・リーン、コロコロコロ」と虫の鳴き声が聞こえたり、水槽内にはすばしっこく魚が泳いでいたり、ヘビがゲージの中を這っていたりと想像していた博物館とはだいぶ趣きの異なるものでした。

観音崎自然博物館では、東京湾に流入する河川の源流部から黒潮の流入する東京湾口の深海まで、森と川と海の自然をすべてひとまとまりの自然「東京湾集水域」と呼びます。その東京湾集水域の自然環境や多様な動植物と人間との関係について、その移り変わりを歴史的に考察し、東京湾集水域を中心とした地球規模での人類と自然との関係について考え、実践していくことを目的として1953年に設立ました。今から約50年前に、すでに環境のことを考えていたのです。さまざまな自然が集まること、そして京浜工業地帯の出入口になっていたことがその要因のようです。

今回、館内を案内してくださったのは観音崎自然博物館研究部主幹の間瀬浩子さんです。間瀬さんによると、ここ観音崎自然博物館では3つの大きな特徴があります。まず、館内に並べられた展示物は手づくりの作品が多いということ、様々な方々からの寄贈が多数寄せられるということ、そして「生きた物」を多く扱っているということ。大自然の中にたくましく生きている県立公園周辺の小さな昆虫、植物、海藻、魚など生きたままの姿で展示をし、子供達にも命の大切さを実感してもらうという狙いが込められています。

フィールドでの気づきを大切にする石鍋副館長 珍しい魚も飾ってあります

もうひとつ、ここで注目すべき特徴があります。それは自然環境の復元と繁殖事業です。天然記念物のミヤコタナゴの繁殖に成功するなど博物館でもここだけでしかみられないような研究成果が挙げられます。タナゴは繁殖期になると卵を淡水二枚貝の中へ産卵します。この非常に難しい人口繁殖に成功しました。しかしこれにもワケがあり、観音崎自然博物館では1962年に世界で初めてマダイの種苗生産に成功し、現在の栽培漁業の草分けとなった実歴があったのです。他にも観音崎では絶滅寸前にまでなっていた海岸植物のイソギクやハマナデシコ、スカシユリ、ハマカンゾウ、アシタバなどを増殖しボランティアの協力を得て観音崎の海岸植物を復元しました。このような生態系の復元と研究には今後の期待が寄せられます。特にタナゴについては、副館長の石鍋さんのライフワークとなっています。また石鍋さんは、とにかくフィールドに出ることを推進しています。事実館内の整備もすすめていますが、それ以上に自然学習を毎週のように開催し、参加者の気づき、驚き、興味といった感覚を刺激しています。

間瀬さんからある興味深い話を聞く事ができました。「ある生き物の絶滅が危惧されると、その生き物は絶滅してしまう恐れがある」ということです。それはある生き物を何とか絶滅から救おうと努力する人達が必死になって「この生物は絶滅の危機に瀕している」と声をあげれば、その声を聞いてその生き物にある希少性価値を見出し乱獲し商売に結びつける人たちも出てくるというのです。その結果、その生き物は絶滅してしまうというものです。

環境にもそれと似たところがあるのかもしれません。今回我々エコミッションが訪れた訪問地では色々な角度からこの環境という問題について取り組み、声をあげている人達に出会いました。そしてその人たちの意識の高さに驚き、現状を見、今後の行く末を考えました。今この私達を取りまく環境とはどこへ向かっているのでしょうか? この答えを見出すためにエコミッションはまた旅にでなければならないのかもしれません。 最後に隊長は言いました。「最後の木を切り、最後の魚を捕ったとき、人間はお金とはなにかを理解する」ある本に載っていた一節。

白い砂浜の上、博物館をバックに隊長と間瀬さん 明日のゴールを夢みて

Kannon-zaki Natural Museum

The number of the visit grounds which Ecomission Japan visited to cover the story is 36. And the Kannon-zaki Natural Museum in Yokosuka-city, Kanagawa which covered this time serves as the visit ground of the last of these missions.

In this museum, the colorful and big parrot greeted us. The museum where we were imagining the inside of the hall was that from which an attractive point differs considerably.

This museum considered the change historically about the relation between the natural environment and various animals and plants of the water area of Tokyo Bay and human being, and was founded for the purpose of practicing in 1953.

This time, Ms. Hiroko Mase of the research section chief editor of this museum guided inside of the hall. According to her, this museum has three big features. One is a work handmade which were arranged in inside the hall in the most. The 2nd is treating many "valid things." The aim of this having children realize importance of a life is put.

One more feature which should be observed is restoration and the breeding enterprise of natural environment. Some research results which can be seen only in this museum exist. The vice-superintendent, Mr. Ishinabe, is promoting coming out to the field. Although this maintenance inside the hall is also recommended, simultaneously, he held natural study every week.

We were able to hear the interesting talk from Ms. Mase. It is "if apprehensive about extinction of a certain living thing, the living thing has a possibility that it may be exterminated."

Environment may also have a portion similar to her talk. Now, where does the environment which surrounds us go? In order to find this answer, Ecomission may be having to go to travel again.

Finally, the captain said. "People understand what money is when you cut the last tree and you catch the last fish."

 


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