そこでNASAではこれまでに蓄積した技術や新たなテクノロジーを駆使して、ほぼ実用化のレベルで“自己完結”型のシステムを開発、研究に入っているのです。
すでに男女4名によるチャンバー(宇宙船のような外界から隔離された空間)でのテストを繰り返しており、我々ECO-MISSIONのスタッフも実物のチャンバーに入れてもらいました。ここで、火星探査に必要な150日以上に及ぶ宇宙飛行時の“自己完結”サイクルの完成をめざすのです。
また、一方では食料も何とか“自己調達”できないかと、宇宙船内での耕作を目指す研究も紹介してもらいました。なんと、発光ダイオードを太陽の光の代わりにして(5分の一くらいの効率が望めるそうです)サニーレタスを栽培していました。「ここで使っているLEDは日本製だよ!」
そして最後に、これらの各部門の研究をまとめて具体的なシステムにする“バイオ・プログラム”の責任者テリー・トリーさんに、実際に造っている5つのチャンバーからなるシステム本体を紹介してもらいました。
とはいっても、巨大なドラム缶のような空き缶(直径50フィートもある)が4つあるだけ。
あとひとつ入る予定で、この5つのドラム缶で、居住区、ライフサポート、植物の栽培、ライフ・サイエンスなどの研究をまず地上でシミュレーションするというものでした。
「NASA Advanced Life Support Program」で人類が火星に足跡を残すのは、あと何年後!? |