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自然環境保護 |
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グレンキャニオン・ダムとパウエル湖〜ダムが新たな生態系を生んだ
ラスベガス観光のオプションツアーなどでもおなじみ、グレンキャニオン・ダム。 観光案内はこれくらいにして、ここではグレンキャニオン・ダムが行っている自然環境保護の取り組みについて紹介しましょう。 その一つが取水口の新設で、従来の底部にある取水口からの冷たい水と、新設する取水口からの温かい水を混ぜ、常に下流の生態系に適した約9度Cの水温にして放水しようという計画です。 温度計持参で計測を行ったところ、ダムの上流側(表層)で17度Cあった水温が、下流側では約10度(こちらも表層)に下がっていることが分かりました。 このダムの管理はアメリカ合衆国の内務省開発局で、「内務省開発局の役目は、水資源および関連資源を、公共の利益のために、環境・経済両面で健全に運営・開発・保護していくことにあります」(ダムを案内してくれたJoanna Josephさん)とのこと。 見学者用の通路の一角にあるディジタル計は、1966年の完成以来の電力の供給による収入金額を表しているとか。 ちなみにECO-MISSIONが訪問した時点では1,627,563,435ドル、そして毎秒ごとに約2ドルが加算されている状態でした。
全長186マイル(約300キロ)という長大なレイク・パウエルの全体像をつかむにはやはり空の上から見るしかありません。なにしろ広大なアメリカを見慣れた目を持ってしても、これが人造湖とは思えない大きさ、まさにアメリカンサイズの大きさの巨大な湖です。 我々を乗せてくれたのは、普段は観光客を乗せて遊覧している軽飛行機でした。 湖岸の長さは1960マイル(なんと3千キロちょっと)と桁違いのこの大自然を眺めていると、何故アメリカ人達がこれほどまでに「環境」や「自然保護」に熱心に取り組むのか、その理由がなんだか分かるような気がします。 箱庭的な日本ではわずかに残った大切な自然は、守ろうという決心さえできれば、簡単とはいえませんが可能でしょう。しかし、この途方もない広大な自然をいったいどうやって守ればいいのでしょう。 さて、昨日は岸上隊員が温度計をグレンキャニオン・ダムに降ろして温度測定をしてくれましたが、本日は寺田隊員がレイク・パウエルで泳ぎながら水中の様子をカメラに収めてくれました。近日公開!?かな。
Glen Canyon Dam (グレンキャニオン・ダム) 1963年、人造湖のレイク・パウエル (Lake Powell)とともに建設されたダム。Glen Canyon National Recreation Area (Glen Canyon NRA = グレンキャニオン国立レクリエーション地域)として、NPS (National Park Services = 国立公園管理局)が管理をしています。 ダムと人造湖建設により、コロラド川の流れや水量が変わり、多くの自然破壊が起きましたが、人類には電力と観光地がもたらされました。 一方、人造湖を作ることで、水温9度(年平均)の水が新たな生態系を生み、自然回復に成功しています。 レイク・パウエルは、アリゾナ州とユタ州にまたがる世界で二番目の大きさを誇る人造湖で、その周囲の距離はアメリカ西海岸の海岸線距離より長いのです。(ちなみに世界最大の人造湖は、Grand CanyonにあるLake Meadです) この湖に流れ込むコロラド川は、水源をロッキー山脈のふもとに持ち、コロラド州からメキシコ湾にまで至っています。豊富な水量は、各所(アメリカ西南部5州とメキシコ)の飲料水として使われるだけでなく、ダム用としても貴重な川となっています。
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