移動記<アディロンダック・キャンプ場>(7月4日)
アディロンダック・キャンプ場がオープンしたのは実に1924年、たった数個のかまどを持つだけの簡単なものでした。
そのキャンプ場がまさにアメリカを代表するキャンプ場にまで発展した裏には、もちろん地理上の利点もあるでしょうが、ニューヨーク州によってこの公園が永遠に自然を保護する地域として認定されたことがとても大きな理由となっているのです。
ちなみに本日は移動のみでしたので、その条文を以下に紹介しておきましょう。
ニューヨーク州憲法<第14条>
州の土地は、現在所有のものあるいは今後所有するものとを問わず、ここに憲法に明記する森林保全条文に従い、永久に野生森林地のまま保持されなければならない。
これらは、いかなる私的または公的企業にも貸与、売り渡し、交換、もしくは保有されてはならないし、またそこにある木材を売り渡し、移動、破壊してはならない。
{第2節}
議会は、法令により、これらの土地を、3パーセントを超えない範囲において、自治体の用水を供給するための水源地の建設または維持のために使用することを決定する権限を持つ。かかる水源用の施設は、州によって建設され、所有され、管理されなければならないが、またそれらの行為も、水源地の境界線や水の流れに関する事項が厳密に調査・確定され、公的な使用目的のためにそれらの土地の確保が必要であるということが公的に周知され、かつ公聴会の結果に基づいて決定されるまで、実行に移されてはならない。それらの土地利益の享有の度合いに従って分担されなければならない。
それらのいかなる水源地も、常に州によって運営されなければならないし、また議会は州が使用しもしくは使用させる当該財産の価値や権利の度合いに従って妥当な価格を受益者たる自治体に提示しなければならない。また、かかる契約は10年以上の期間にわたってはならず、その期限の終了時に再調整されなければならない。
不衛生な状況が惹起されてはならないし、またそのような行為が継続されてはならない。
{第3節}
森林と野生生態の保全は、ここに州の基本政策として宣言される。
これらの政策を遂行するため、議会は、現在法律によって確定されているアディロンダックおよびキャッツキル州立公園の外の土地を、森林と野生生態の保護のために獲得するうえで必要な資金を支出することができる。
{第4節}
州の基本政策は、自然資源および景観美の保全とし、また食料やその他の農産物の生産に資する農業用地の開発を促進するためのものでなければならない。
議会は、この政策を履行するため、空気や水の汚染および過剰かつ不必要な騒音を排除し、また農業用地、湿地、水際線を保護し、水資源を開発ないし規制するうえで必要な条件を定めることができる。
{第5節}
この憲法の第14条に規定に違背するいかなる違反も、住民の訴訟によって抑制されるし、また最高裁判所の同意に基づいて上級裁判所に提訴され、またいかなる市民の訴えによっても、司法長官に告発され得る。
(以上憲法第14条でした)
いきなりの法令文でしたが、ちゃんと読んでいただけましたでしょうか?たまには頭を使わないと(!?)シワが少なくなってしまいますからね。
それにしても州の憲法でこれだけ自然保護をうたったニューヨークは偉い!
グレンキャニオン・ダムの100年先を見越した計画といい、このニューヨーク州の思い切った憲法制定といい、こりゃ相当アメリカを見直さなければいけなさそうです。
いかがですか?皆様。
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