水素で走るクルマ、MIRAIが生まれました。
中学の頃、理科の実験で水素を発生させてマッチで火をつけたことがありますよね。フラスコに差し込んだ電極からシュワシュワと泡立つ気体に着火すると“ボッ”と音をたてて燃えたあれです。
水(H2O)に電気を流すと水素(H)と酸素(O)に分かれる“電気分解”という実験でした。
“水素は宇宙で一番多い元素だ”という先生の言葉が印象に残っています。
“燃料”といっても、MIRAIは水素を燃やして走るわけじゃないんです。
水素を発生させた理科の実験の逆、つまり水素と大気中にある酸素をくっ付けて電気を発生させる装置「水素燃料電池」が生み出す電気エネルギーでモーターを回して走るクルマ、それがMIRAIです。
水素はどこで入れるの?
エンジンで走るクルマがガソリンスタンドで給油するように、MIRAIは「水素ステーション」で水素を充填します。
水素ステーションは、首都圏、中京、関西、北九州などを拠点に、主要幹線道路に続々とオープンしています。(2015年6月現在81カ所)
2020年のオリンピックイヤーには、水素社会がもっと身近なものになっているかも知れません。
チームACPのチャレンジ
一般のガソリンスタンドは全国に約33,000カ所もあって、エンプティーランプが点灯してからでも「あ、そろそろ給油しなきゃ」と最寄りのスタンドに立ち寄れば済んでしまいます。
広がりつつある水素ステーション網ですが、ガソリンスタンドの0.3%にも満たない今、果たしてMIRAIで長旅は可能なの?
「水素リーダー都市」を掲げる福岡をスタートし、東京タワーの隣にオープンしたばかりの水素ステーションまでの総走行距離1,200kmを無事に完走できるでしょうか。
水素社会はまだ始まったばかり。水素ステーションの数も営業時間も限られています。それは乾いた大地に僅かに点在するオアシスのようなのもの。パリ・ダカールラリーでサハラ砂漠を疾走したチームACPの礎を思い起こさせる新たなチャレンジです。