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野生動物とクルマの共生

 

野生動物とクルマの共生

ムラサキツバメを守るために、橋の欄干にフェンスを取り付け、クルマとの衝突防止を図ったユニークな道路

ポンチャートレイン・コーズウェイ

 


渡り鳥を守る道路プロジェクト<ポンチャートレイン湖>(6月21日)Carlton F. Dufreehon氏

「ここポンチャートレイン湖のムラサキツバメたちは、カナダから南米へと渡る中継点として立ち寄りますが、近くを通る有名なポンチャートレイン・コーズウエイと呼ばれる橋を通るクルマに巻き込まれて死んでしまうツバメが多かったのです。そこで、私たちはツバメを守るべく道路にフェンスを立てて、ツバメが巻き込まれないようにしました」(レイク・ポンチャートレイン・ベイシン・ファウンデーションのCarlton F. Dufreehonさん)。

レイク・ポンチャートレイン・ベイシン・ファンデーションは元々ツバメだけではなく、ポンチャートレイン湖の自然を守るために設立された基金で、
「1989年市民レベルでスタートしました。現在1000人を越す個人会員や10名の専任スタッフが活動しています。政府や企業のバックアップもいただいており、この10年で800万ドルを集めました。政府のバックアップも順調です」。

ちなみにムラサキツバメはツバメの中でも最大サイズのグループに属しており、8インチの成鳥も見られるとか。橋のたもとにはツバメの保護区「スワロー・サンクチュアリ」も計画されている。

実はインタビュー取材後、ものすごい感激がありました。取材させていただいたムラサキツバメたちがねぐらに帰るシーンに実際に会えたのです。Carlyle Regillio氏

一応「いたらいいな」程度の期待でミスター・カーライルさんの薦めで夕方から待ち受けていたのですが、いっこうにそれらしき鳥に会えず、「今日はダメかな」と思い出した頃に突然帰ってきたのです。ムラサキツバメが。しかもその数何千羽、まさに群をなして舞い降りてきました。

心配してくれたのか、カーライルさんも奥様を連れて見に来ていました。
この優しさこそが、自然環境を守る行動の元となっているのだなと、こちらも感動いたしました。

実際にツバメ達が飛ぶ様子を見ると、確かにフェンスがないと、低空飛行するツバメがクルマに吸い寄せられるだろうな、というのが歴然でした。フェンス自体は別にありふれたものなのですが、ちょうど進入コースにうまく配置することで効果的に鳥の事故を防いでいるのが分かりました。
やはり「百聞は一見にしかず」です。わざわざ日本から見に行って良かったと思えた瞬間でした。

ツバメの撮影にホテルを出発した途端、バケツをひっくり返したような大雨 翌朝、今度は飛び立つところを見ようと、早起きしてやって来ました

 



ポンチャートレイン湖空撮取材(6月22日)ポンチャートレイン・コーズウェイ

さて、本日のヘリ取材は当初我々ECO-MISSIONのカメラマンだけが空撮を行う予定だったのですが、日本から多くの取材陣に来ていただいたため、急遽記者団用のヘリも用意して、一緒に取材することにしたのです。

さすがにアメリカではヘリ取材もなれたもので、費用面もリーズナブル。
そして、もう一つ、こういった取材になれていることを実感したのは、何と、ポンチャートレイン橋をテリトリーとするポリスカーが、撮影時は後方について、一般車両が邪魔にならないように誘導してくれることでした。
まさに、映画の1シーンといった感じで、気分のいいこと。

ちょうど撮影に引っかかってしまったドライバーの皆様ご協力ありがとうございました。
無事橋のフェンスとプリウスの走行シーンが取材できました。

本日はもう一つ、記者団のため、ニューオルリンズのフレンチ・クォーターでプリウスの撮影を行いました。昼間のフレンチ・クォーター

こちらのニューオルリンズのダウンタウンは元々皆低速走行なので、よい写真が撮れたことと思います。

ミシシッピ川を航走するスチーム・ボートをバックに記念撮影。

さて、これからケンタッキーを目指していざ出発!

 


ポンチャートレイン湖(Lake Pontchartrain)

ジャズのメッカ、アメリカ南部ルイジアナ州ニューオリオンズからほど近いポンチャートレイン湖には、毎年2回、6百万羽ものムラサキツバメが栄養補給のために飛来し、その他の種類のツバメも合わせ3千万羽以上がこの地区を訪れています。

ムラサキツバメは、全米で最も親しまれている渡り鳥として知られており、その優雅な飛び方に人気が集まっています。ムラサキツバメは、冬には南米のチリやアルゼンチンへ、夏にはカナダ北部まで旅する渡り鳥で、その途中でアメリカ南部を訪れているのです。ツバメの餌は昆虫であり、害虫を食べるので益鳥として知られており、近くの農場にもその飛来は大いに役立っているのです。

世界最長の橋として有名なポンチャートレイン湖架橋(Lake Pontchartrain Causeway)がかかっているポンチャートレイン湖は、ムラサキツバメの飛来地として有名ですが、周辺地区の開発などのためツバメへの悪影響が出ていました。

この橋のたもと付近に、ツバメの保護区を作る計画(Swallow Sanctuary)が現在進められています。保護区には、新たに沼地を作り、同時に沿道を歩行者や自転車、車などが通れるようにし、間近でツバメが観察できるようにしています。

 


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