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野生動物とクルマの共生 |
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渡り鳥を守る道路プロジェクト<ポンチャートレイン湖>(6月21日) 「ここポンチャートレイン湖のムラサキツバメたちは、カナダから南米へと渡る中継点として立ち寄りますが、近くを通る有名なポンチャートレイン・コーズウエイと呼ばれる橋を通るクルマに巻き込まれて死んでしまうツバメが多かったのです。そこで、私たちはツバメを守るべく道路にフェンスを立てて、ツバメが巻き込まれないようにしました」(レイク・ポンチャートレイン・ベイシン・ファウンデーションのCarlton F. Dufreehonさん)。 レイク・ポンチャートレイン・ベイシン・ファンデーションは元々ツバメだけではなく、ポンチャートレイン湖の自然を守るために設立された基金で、 ちなみにムラサキツバメはツバメの中でも最大サイズのグループに属しており、8インチの成鳥も見られるとか。橋のたもとにはツバメの保護区「スワロー・サンクチュアリ」も計画されている。 実はインタビュー取材後、ものすごい感激がありました。取材させていただいたムラサキツバメたちがねぐらに帰るシーンに実際に会えたのです。 一応「いたらいいな」程度の期待でミスター・カーライルさんの薦めで夕方から待ち受けていたのですが、いっこうにそれらしき鳥に会えず、「今日はダメかな」と思い出した頃に突然帰ってきたのです。ムラサキツバメが。しかもその数何千羽、まさに群をなして舞い降りてきました。 心配してくれたのか、カーライルさんも奥様を連れて見に来ていました。 実際にツバメ達が飛ぶ様子を見ると、確かにフェンスがないと、低空飛行するツバメがクルマに吸い寄せられるだろうな、というのが歴然でした。フェンス自体は別にありふれたものなのですが、ちょうど進入コースにうまく配置することで効果的に鳥の事故を防いでいるのが分かりました。
ポンチャートレイン湖(Lake Pontchartrain) ジャズのメッカ、アメリカ南部ルイジアナ州ニューオリオンズからほど近いポンチャートレイン湖には、毎年2回、6百万羽ものムラサキツバメが栄養補給のために飛来し、その他の種類のツバメも合わせ3千万羽以上がこの地区を訪れています。 ムラサキツバメは、全米で最も親しまれている渡り鳥として知られており、その優雅な飛び方に人気が集まっています。ムラサキツバメは、冬には南米のチリやアルゼンチンへ、夏にはカナダ北部まで旅する渡り鳥で、その途中でアメリカ南部を訪れているのです。ツバメの餌は昆虫であり、害虫を食べるので益鳥として知られており、近くの農場にもその飛来は大いに役立っているのです。 世界最長の橋として有名なポンチャートレイン湖架橋(Lake Pontchartrain Causeway)がかかっているポンチャートレイン湖は、ムラサキツバメの飛来地として有名ですが、周辺地区の開発などのためツバメへの悪影響が出ていました。 この橋のたもと付近に、ツバメの保護区を作る計画(Swallow Sanctuary)が現在進められています。保護区には、新たに沼地を作り、同時に沿道を歩行者や自転車、車などが通れるようにし、間近でツバメが観察できるようにしています。
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