この空間が増えれば、日本はもっと元気になる
木や水に囲まれ、自然を満喫できる空間が、岐阜県各務原市の東海北陸自動車道上にある。なぜ道上か? それはここが高速道路のパーキングエリアだからだ。河川環境楽園(環境共生テーマパークの総称)のハイウェイオアシスとして平成11年に開園したこの川島パーキングエリアは国営木曽三川公園内にあり、とても高速道路の中にあるとは思えないほどの巨大ビオトープが存在する。木曽川水園と呼ばれる公園内の人工池には、多様な水辺の生き物が共生しており、ベテランの船頭さんが巧みに操る渡し舟に乗ってで観察する事ができる。
船頭さんが教えてくれる川の自然についての弁は独特の風情があっておもしろい。「水園の水はよぉ、木曽川の水じゃねぃよ。深さ2メートルぐれぇの底から湧き上がる水だぁ」「ウシガエルのオタマジャクシが千匹以上おったがよぉ、ぱったり見なくなったぁな、カラスが食べてしまったかのぉ」。気になったのは、「今年はよぉ、鴨のヒナがかえらないんだ。自然にはよぉ、たまにこういったことがあるんだなぁ」という一言。大自然から比べるとちっぽけな存在のビオトープには、環境の些細な変化がストレートに表れるのかも知れない。
舟でご一緒させていただいたお孫さんを連れたご夫婦は、一般道から遊びに来ていた。「孫とも遊べるし、近所にこんなに素晴らしい場所があることは嬉しいよね」と笑顔を見せてくれる。公園内には子連れのお父さん、お母さんが目立つが、ハイウェイオアシスが高速道路からだけでなく、一般道からも入ってこれることで利用する人が多い。こういった自然公園が増えれば、子どもも楽しめ、大人も癒される。日本はもっと元気になると感じた。
「見たい」とワクワクした美しい2つのアーチ
川島パーキングから南の方角に見える不思議な2つのアーチ。率直に「なんだこれは!?」と、プリウスPHVを走らせ、あれがなにか「見たい」とワクワクさせてくれた。木曽川から分かれ県境となる南派川を渡り、愛知県一宮市にそびえ立つ展望タワー「ツインアーチ138」がその正体だった。国営木曽三川公園は愛知県・岐阜県・三重県にまたがる日本一大きな国営公園だが、川島パーキングエリアに負けないくらい、愛知県の138タワーパークもすごい迫力だ。名称から察する通り、地上からの高さは138メートルで、先端近くにある展望台から見る360°の壮大な景色はぜひとも一度は味わってもらいたい。