夕方のラッシュアワーを過ぎた頃、海老名SAで軽い食事を済ませ、一路、山口県光市を目指してひた走る。3人のドライバーがローテーションを組みながら、深夜のハイウェイを順調なペースで西へ、ひたすら西へ。
岡山を過ぎたあたりから空が白み始め、瀬戸内の島々の見事なグラデーションが見え隠れすると、あっという間に辺り一面が橙色に染まり、宮島SAで日の出を迎えた。目的地の光市はもう目と鼻の先。プリウスPHVの前方に長く伸びた影をなぞりながら辿り着いた先では、光市総合福祉センター「あいぱーく光」の古迫さん、光市環境部の清水さんが笑顔で出迎えてくれた。
夜討ち朝駆けの如く訪問したのは、「ひかりエコ・自然塾」という河川の生きもの観察会に同行するため。地元の子供たちと一緒に瀬戸内海へ注ぐ島田川の汽水域で、どんな生きものと触れ合う事ができるのか、そして子供たちはプリウスPHVと対面して、どんな笑顔を見せてくれるのか、大いに楽しみである。
「地域づくり支援センター」の講義室へ入ると、すでにたくさんの親子連れが集まっていた。まずはフィールドへ出かける前に、水辺の生きものを描き続けている画家でもある講師の奥田賢吾先生から島田川に住む水生生物の生活について伺った。そして環境学習を主催している「ひかりエコメイト」代表の藪博昭さんからは、干潮時で浅いとはいえ、水辺で遊ばせてもらうための注意点も。子供たちにはしっかりとライフジャケットを着用させ、いよいよ河原へ出発だ。
砂地の浅瀬に降りてみると、汽水域特有の磯の香りが漂うが、大都市の河口付近で感じるドブのような臭いは皆無で実に心地よい。試しに水をすくって舐めて見たが、ほのかに塩分を感じる。そこかしこに生きものの気配を感じ、本流を覗くと黒い魚影が行き来する素晴らしい川だ。始めは緊張しながら浅瀬に入って行く子供たちだったが、奥田先生の元気につられ、全身ずぶ濡れで網を振り、小魚やエビが入るたびに大きな歓声が上がる。水と触れ合う子供たちは本当に輝いている。キラキラと輝く川面を吹く風はどこまでも爽やかで、いつまでも戯れていたいと思った。
思い思いの場所で小さな生きもの達を見つける楽しい時間が過ぎ、バケツを抱えた子供たちが集まって、捕まえた生きものを水槽に放ち、観察会が始まった。おなじみのチチブやゴリに混じってチヌ(黒鯛)やウナギの幼魚、イソスジエビ、テナガエビ、イソガニなどの甲殻類や貝類など、その種類の多さにびっくりさせられた。かつて日本中の河川で見られた小さな生きもの達が消えつつある中で、島田川は多様性に富んだ生態系が保たれていることがわかる。
もともとゴミが少ない河原だが、生きものを追いながら、目についたゴミを集める事も忘れず、バケツ2杯分を回収した。夏休みの最後に、素晴らしい体験をした子供たちは、美しい島田川の環境を受け継いで行くに違いない。
参加された皆様、ありがとうございました。
カテゴリー: エコミッション2012,山口県光市
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