豪雪地帯にそびえる飯豊連峰は、2105mの主峰、飯豊山を中心に雪に削られた急峻な姿が魅力的だ。その飯豊連峰を望むGazooMura飯豊は奥深い山々に囲まれた雪国ならではの知恵と伝統を育み、たくましく心豊かに生きる里山の暮らしが今も色濃く残っている。小国街道を西へ向かい、県道4号線を上ると深い谷間に横たわる白川湖が現れる。降水量の少ない今年は水位が下がっているものの、周囲の森が蓄えた水のおかげで渇水を間逃れている。さらに白川沿いを上流へと進んだ先にある「源流の森」を訪ねた。
まずは「源流の森センター」へ足を運ぶ。森の生態系や、1万年前からここで森とともに暮らしてきた人々の暮らしぶりが、簡潔に分かりやすく展示されており、小学校高学年以上なら1時間程で森に関する基礎知識が習得できるだろう。同センターでは、森を案内する事はもちろん、森で拾った素材で工作をしたり、土に触れる陶芸など様々な体験プログラムも用意されている。
10万ヘクタールにも及ぶ広大な森全体を展示するというコンセプトの「源流の森」は、モミジの路、ミズナラの路、ユキツバキの路、ブナの路など高低差によって植生の違う樹木を分かりやすく見て回れるように散策路が整備され、各路ごとの距離と所要時間、各ゾーンの要所には樹木の名前も記され、まるで生きた教材のように森を知る事ができそうだ。子供たちでもあまり苦労せずに登れ、美しいと人気のコース、ミズナラとユキツバキの路をトレッキングすることにした。
ミズナラはその名前の通り豊富な水を地下に蓄え“源流の森”を形成する主役だ。ひと山を覆い尽くすようなミズナラ群落生態林は本当に美しい。そして、その根本には高さ1メートル程のユキツバキの濃い緑が密生する豪雪地帯特有の光景が見られる。この辺りの真冬の気温はー10度にもなるが、本来あまり寒さに強くないツバキ類は、すっぽりと雪に埋もれて寒さをしのいでいるのだ。
多様な植物が共生している「共育の路」を登った先に、展望ヤグラが建っていたので上って眺望を楽しむ事に。眼下には深い森に囲まれた美しい田んぼが広がるのどかな農村が見える。小雨交じりの今日は見る事ができなかったが、晴れていれば正面に飯豊連峰の雄大な景色が望めるという。何とも口惜しい限りだが、“また飯豊に来なさい”というメッセージと受け止め、再来を誓いながら源流の森を後にした。
- 清流白川のせせらぎが心地よく響く
- お世話になった白川荘
- 山の幸が並ぶ夕膳
- 飯豊は「どぶろく特区」に認定させている
- 飯豊の森が分かる「源流の森センター」
- 木をふんだんに使った展示室
- 木と触れ合うプレイコーナー
- 森から拾った材料でクラフト体験
- 飯豊の一万年前から現在までを解りやすく展示
- 森の素材でクラフト体験
- わら細工や陶芸なども体験できる
- 遊具に工夫を凝らした「冒険の森」
- いたる所にやさしい自然が溢れている
- ミズナラの根本に群生するユキツバキ
- 散策路は栗の宝庫
- “森のダム”といわれるミズナラ群落生態林
- 「源流の森」頂上からの眺望
- 朝から賑わいを見せるパークゴルフ場
カテゴリー: エコミッション2012,山形県
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