博多が一番輝いた日

博多の町を気高き“尻”が行く

福岡に滞在している時に、ちょうど“博多祇園祭山笠櫛田入”に巡り会わせた事は7月15日の記事で紹介したが、帰京して写真を整理していたら、名物の“尻”が気になったので紹介したい。

櫛田入りの前日、中州で最初に博多ラーメン店を始めたという老舗で昼食。近所を見て回ると“中州流”の大提灯が目に止まった。7年に1度巡って来るという一番山の大役を控えた舁き山、堂々とした風格の飾り山が辻角の幕内に収まっていたのだ。山を見守る男衆は、本番まで随分と間があるというのに、すでにキリッとした正装で最後の仕上げに汗を流している。気合いの入った“尻”が並び、一番山の緊張感がこちらにも伝わって来るようだ。

翌朝、午前4時59分。ぽつぽつと降りしきる雨の中、男衆は足元に勢水を浴びながら一番山“中州流”を全速力で舁きまわし、見事な櫛田入りを果たしたのは言うまでもない。

取材の取材

九州編でも多くの環境最前線の現場を巡ったが、そのうちの数カ所に地元テレビ局クルーが同行し、エコミッション2010@JAPANの活動を収録していただいた。地域の環境保全にがんばっている方から話を伺っている私たちをTVカメラが追うカタチ、つまり「取材を取材」されているという状況だ。天候が安定せず激しい雨や猛暑の中、重い機材を担いでの収録“お疲れさまでした”。
連日移動しながら各地を回ったため、オンエアを見る事は叶わなかったが、私たちの活動を広めていただいた事に感謝したい。

【RKK熊本放送さんの収録ムービー】

【FM福岡収録】

FM福岡「美味しい話、嬉しい時」出演

福岡へ滞在中には、FM福岡「美味しい話、嬉しい時」(毎週土曜21:00〜21:30)の収録があった。 お相手は軽妙な語り口で人気のDJ EIJIさんだ。
残念ながら初回のオンエアは終わってしまったが、今週末には2回目があるので、地元の方には是非聴いていただきたい。

2010年7月24日放送(終了)
横田紀一郎の美味しい話。

2010年7月31日放送
横田紀一郎の嬉しい時。

【九州各地でのTV取材風景】

【取材していただいたTV番組】
KBC:KBCニュース
NIB長崎国際テレビ:ニュースエブリー
長崎文化放送:スーパーJチャンネル長崎
テレビ長崎:KTNスーパーニュース
テレビ長崎:金曜夕Gopan
テレビ熊本:FNNスーパーニュース
RKK熊本放送:キャッチてれび
RKK熊本放送:夕方いちばん「熊本いちばん情報」

船旅

名門大洋フェリー【ふくおか2】

エコミッション2010@ジャパンスタートの地、九州へはフェリーで向かった。
静岡県浜松市のガレージで最終チェックを済ませたプリウスPHVは、大阪南港フェリーターミナルで名門大洋フェリーの「ふくおか2」へ乗船。北九州新門司港へ向けて瀬戸内海を行く12時間余の船旅だ。

僅かな残陽が照らし出す穏やかな海面をスルスルと滑るように進む。両岸にちりばめられた町の灯が放射状に波立つ水面に映り込んで幻想的な世界が広がっていた。やがて、ブルーに輝くネックレスでめかしこんだ明石海峡大橋をくぐる頃になると、乗客の多くがデッキへと繰り出し夏祭りのような賑わいだ。右には明石の豪華な夜景、左には淡路島のやさしい灯りがゆっくりと後方へ流れて行く。フェリーでのひとときは、旅愁という言葉がしっくりくる。

フェリーを利用した事のある方はご存知だろうが、いくつか気をつけたい事がある。いったん船底に車を預けると到着するまで再会できないので、渡航中に必要な荷物を持ち出しておく。船舶は省スペース設計。通路が入り混んでいる上、特徴のないドアがずらりと並んでいるので、自分の船室をキチンと覚えておく。携帯電話は岸から離れると繋がらない。インターネットも同様。凪ぎでも大型船とすれ違う時には、三角波に当たり突然揺れる事があるなど、船旅ならではの“しきたり”は戸惑いはあるが、非日常という楽しさを増幅させてくれるものでもある。

帰路は別府港から「さんふらわあ あいぼり」に乗船。
船形がどっしりしているせいか往路に乗った「ふくおか2」よりひと回り大きく見えるのだがスペックを見るとまるで逆だった。船底への搭乗口の位置も印象を違えた要因かも知れない。

往路:「ふくおか2」      総トン数=9,800トン、全長=167m/搭乗口:船首
復路:「さんふらわあ あいぼり」総トン数=9,300トン、全長=153m/搭乗口:船腹

白い船体に燈色で鮮やかに描かれた太陽のマーキングが、鶴見岳に沈み行く夕陽に呼応しているようだ。船腹にぽっかりと空いた搭乗口に大型トレーラーが次々に吸い込まれて行く。やがてプリウスPHVも前後の車列とともに乗船すると、機械然とした無機質な船底に停車し九州での役目を終えた。分厚い乗船板を支えるワーヤーが巻き取られ、“ボーッ”という汽笛を合図にゆっくりと離岸、一切の振動を感じる事なく豊後水道へ向かって進むと、ぐんぐん視界が広がり、日本一の湯量を誇る別府温泉の無数に立ち上る源泉の湯気柱、自然林の深緑が美しい高崎山のシルエットなど別府湾の大パノラマが一望に。ついにはその景色も闇にかすんで見えなくなり、気がつけば1時間以上もデッキで景色を楽しんでいた。このゆっくりとした時間の流れこそ船旅の魅力なのかも知れない。たくさんの出会いに感謝しながらエコミッション2010@ジャパン九州ステージが幕を下ろした。