ネッツトヨタ愛知プラザ安城店訪問

安城は矢作川から取水した明治用水が開通したことで大規模な開墾が行なわれ、日本の近代農業発祥の地となった場所。当時先進的な農業国だったデンマークに因んで「日本のデンマーク」と呼ばれた。現在は用水路の一部は埋め立てられて自転車専用道路として生まれ変わるなど様変わりしている。新幹線の三河安城駅が誘致されてからは再開発が進められ、ホテルや飲食店が筍のように続々とオープンして新しい街づくりが加速している。そんな新設幹線道路に面した場所に、鮮やかなブルーのコーポレートカラーが目を惹く大型の店舗を構える「ネッツトヨタ愛知 プラザ安城店」を訪問した。

とっても仲良しの父子 試乗ではプリウスPHVの静けさを満喫

とっても仲良しの父子 試乗ではプリウスPHVの静けさを満喫

広々としたフロアは主力車種がゆったりと展示され、連休中日とあってかなりの人出にも関らず、あまり混雑した印象を与えない。プリウスPHVが展示される特設会場にも広い場所が確保され、次々と訪れる来店客にも、ゆっくりと次世代のクルマを見てもらう事ができた。

開店と同時に“電気くださ〜い!”と充電をお願いし、満タンになった頃から、店長さんはじめ営業スタッフの方々に試乗していただいた。ペースを上げてもエンジンが始動せず、常にEVモードで走り続けるプリウスPHVの静けさと力強さをいち早く実感して、「早くお客様にも体験して欲しい、発売が待ち遠しいです。」と、“期待大”と評価する声が多く聞かれた。
やがて陽が傾き、展示終了時刻。広い店内の奥まで日光がさし込む時間になっても、多くの来店客で賑わい続ける「ネッツトヨタ愛知 プラザ安城店」を後にした。

愛知トヨタ 高辻営業所訪問

愛知トヨタ高辻営業所の女性スタッフが笑顔で迎えてくれた

愛知トヨタ高辻営業所の女性スタッフが笑顔で迎えてくれた

秋らしい爽やかな晴天の下、名古屋市街の中心部から高辻へ向かうと、週末の朝とあって普段は通勤で渋滞している大通りもクルマが疎らで、あっと言う間に今日の訪問先「愛知トヨタ 高辻営業所」へ到着した。開店まで1時間もあるが、すでに大勢のスタッフが慌ただしく連休イベントの準備に追われている。

名古屋高速3号線に面した高辻営業所は展示スペース、接客スペースともゆったりとした作りで、サービス工場、イベント用の別棟やオフィスを併設したボリューム感たっぷりの店舗だ。広々とした駐車スペースには、200V/100Vとも充電が可能なPHV用の配電ボックスが設けてあり、そこへプリウスPHVを停車させてもらった。

駐車場から店舗へ向かう来店客は、フェンダーにプラグを挿して充電しているプリウスPHVを見つけると、歩み寄って次世代のクルマに立寄り、「これがプリウスPHVですか?」「充電時間は? EVモードでの走行距離は?」などとスペックに関する質問が続く。九州から旅を続けて名古屋までの間、日を追うごとにプリウスPHVの認知度が上がっている事を実感する。

展示終了時刻が迫る頃、愛知トヨタ営業スタッフにも試乗してもらう事にした。特に女性スタッフからの希望者が多く、いちはやくプリウスPHVを体感しようと積極的だ。規定のコースを回る5分程の短い時間だが、静かでなめらかな走りに終始する感動を味わい、全員が満面の笑顔でドライバーズシートを後にするのが印象的だった。

豊川稲荷表参道の再生

「人と人」との繋がりがいかに偉大か

シャッターが閉まってひっそりとする商店街が1980年代後半から増加し、身近な都市問題としても注目されている。
日本三大稲荷として有名な愛知県にある豊川稲荷にある表参道にもその問題は見られるという。しかし、われわれが訪れると、そこにはひっそりとしているどころか、活気ある商店街の姿が見られた。
かつて豊川稲荷へは年間600万人もの参拝客が訪れていたが、ここ数年前では1/3となる200万人へと激減。そこで市は大掛かりな再開発案を掲げることになる。しかし、提案は出るものの、肝心のお金が出ない。なかなか動き出さない市と住民の仲は次第に悪化し、再開発はご破算となってしまうのである。しかし、動き出さなければなにも始まらない。そこで、できることからやり始めようと住民3人と市の職員1人、たった4人での再開発が7年前に始まった。なにかやろうにもなにから始めたらいいのか? そこで、昔バンドをやっていたから、「チンドン屋」なんてどうだろうかと言って、はじめの一歩が踏み出された。

愉快な音色でみんなワクワク。中小企業庁が選定した「がんばる商店街77選」に選ばれた

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持続性がなくてはエコではない

チンドン屋は月一回のペースで行なわれ、徐々に人が集まってきた。ある程度定着してきたら、今度は町並みがあまりキレイではないという問題があがった。その頃建築家でもありハーバード大学博士の「松島 史朗」さんが、国立豊橋技術大学へ着任。「なにやら建築のことをできる偉いお人が豊川に来たらしいぞ!」という噂が町には出始めた。再開発の話を聞いた松島教授は、「実験として2年間、一年に一軒の改修を行なう社会実験をしてみよう」ということで景観整備事業がスタート。さまざまな実験をした結果、売上が伸び来客数も増加、おせんべい屋さんには行列ができるほど。現在では市から補助金が出るまでになった。
驚くことに松島さんは自身の研究室の学生を参加させ、基本的なデザインを任せている。コストや責任、市や住民との細かい調整などは松島さんがコントロールしているが、基本は学生なのである。
「学校で勉強だけするのと違って、実際にここにはお客さんがいるんですよ。学生が自信満々に提案しても、こんなんじゃダメだよ。といった具合にひっくり返されたり、社会に出てから役立つものが多い。それらもあり、経済産業省の社会人基礎力育成グランプリで審査委員会特別賞やアカデミック奨励賞などをいただきました。ある学生は建築学会の大会で優秀賞をいただいたり、すべてが学生のためにも繋がるんです」
そして、この町おこしを継続的にやる場合、一軒だけお金をかけ過ぎてもダメなのだという。あの人は1000万円もかけていいものをつくったけれど,うちはそんなに出せないしやめようかなと、そこで計画は止まってしまう。無駄に新しいものを作っても、持続可能性がなくなるとエコにはならないのだ。いまあるものを使いながら、あるレンジの中でやり続ければ20軒は改装できるだろうといった具合に、いかに継続して反映していけるかが重要なのだ。

学生も住民も市も、みんなが対等

地域コミュニティのひとつとして、ギャラリーや喫茶として利用できる施設「いっぷく亭」では、学生も住民も市も、みんなが対等に意見交換を行なっている。毎週木曜日、午後8時から10時にかけて、堅苦しいこともなしにみんなが言いたいことを言う。
「チンドン屋」から始まった町おこし。いまでは毎月第4日曜日に、住民、学生、市の職員などがチンドン屋として商店街を盛り上げている。景観整備事業もこれまでに5軒、現在も2軒の改修に取り掛かっている。昭和の雑多なニオイ、ここにはそのニオイが戻ってきている。