明け方に窓を叩くほどの強い雨音に目覚める。晴れていれば雄大な富士山が望める北側のカーテンを開いてみたが、あいにく低い雲が裾野まで垂れ込めその姿を見る事ができなかった。出発の頃には雨も上がり、気を取り直して「エコミッション2010@ジャパン 第2弾」最後の宿を出た。
今日の訪問先は、今年7月2日にオープンしたばかりの静岡トヨタ沼津店。多くのカーディーラーが軒を連ねる激戦地にあって、ひときわ目を引く大型の店舗には、「プラグインハイブリッドがやってくる!」のサインボードが掲げられていた。
静岡トヨタ沼津店は静岡県内初の充電ステーションや、「HYBRID STALL」と名付けられたハイブリッド車の整備に特化した専用のピットを設置するなど、次世代を見据えた新規格のカーディーラーとして注目されているためか、開店直後から続々と来店するクルマも、プリウスを筆頭にハイブリッド車が多い。店内の特設スペースにプリウスPHVを展示すると、熱心なプリウスファンからの質問が続き、関心の高さがうかがえる。
ウインドウ越しに黄色にペイントされたリヤカーを牽く青年の姿が見えたので、思わず声をかけた。聞けば北海道宗谷岬をスタートして沖縄までリヤカーを牽いて旅を続けているという。やり方は違うが同じ旅烏同士で話が弾む。彼の名は森田松之助(自称:たこのすけ)くん。三重大学の学生だが、3年生で休学し旅を始めたという。「今しかできない事があると思うんです。で、見聞を広めながら人と出会うために旅を決意しました。」そう語る彼の陽焼けした笑顔はキラキラと輝いて見えた。別れ際にプリウスPHVと記念撮影して道の彼方へ消えて行った。「がんばれ、たこのすけ!」
たこのすけ大学〜日本縦断リヤカーの旅〜
真新しいサービス工場は休日とあってフル稼働している。その中にも数台のプリウスが点検を受けている姿があった。ブルーに色分けされた「HYBRID STALL」には200Vの充電コンセントが設けられ、すぐそこまで迫っているPHV車の受け入れ態勢も万全だ。店舗の外を見回していると、突然の稲光の直後、ドド〜ン!という轟音。やがて大粒の雨が降り出し、ほとんど視界がきかない程の激しい土砂降りになった。短時間で雨が上がり風向きが変わると、蒸し暑い夏の空気が一気に冷気を帯び、一瞬にして季節が秋へ巡ったようだ。それにしても突然の豪雨の中、“たこのすけ”君は無事だったろうか。
充電が満タンになった所で、各地のディーラーで好評だった試乗会をスタート。トップバッターは、お店に来ていた若いお母さん。プリウスPHVを体験していただいた感想を伺うと「とにかく静かでびっくりしました。」。続いて営業スタッフの方数名が試乗すると「一般発売前のPHVを知る事ができて良かったです。お客様に話題を提供できます。」と、これまた嬉しい言葉が聞かれた。あいにくの空模様だったが沢山の出会いがあり、新規オープンのキレイな店舗で楽しい時間を過ごす事ができた。静岡トヨタ沼津店のみなさん、ありがとうございました。