HUB PORT 若林-ネッツトヨタ東京訪問2

展示2日目ともなると、店舗の色々なところが見えてくる。キレイに清掃が行き届いたトイレや、小石を敷き詰めた床などの設備だけでなく、店舗スタッフの仕事ぶりなども感じられるようになる。

“ネッツ”を支えるブルーの戦士

ここ「HUB PORT 若林-ネッツトヨタ東京」は大型店とあって、こちらの端から反対側までかなりの距離がある。試しに歩幅で計ってみると約70メートルもあった。その長い店舗裏側の通路を、ブルーのツナギ姿のスタッフが走り抜けるのが見えた。注意して見ているとまた一人、そしてまた一人。重いバッテリーや、オイルを抱えて走っている。ドアから出てくる時や、角を曲がる時は左右を確認しているので、日常的にみんな走っているのだろう。店内でクルマの説明をしていた営業スタッフも、一歩裏側の通路へ出ると一生懸命走っている。

良く見ていると移動する時だけでなく、タイヤを装着する時に、洗車機から出て来たクルマを拭き上げる時にも、早回しのムービーのようにテキパキ動いていた。“同じクルマを購入するなら、こんなスタッフの揃っている店で”とは誉めすぎだろうが、キビキビとした動きを見るのは本当に気持ちが良い。お客さんの目に留まらない裏側の通路で、“ブルーの戦士”達は、毎日走り続けている。

店長さん、スタッフの皆さん。2日間ありがとうございました。

HUB PORT 若林-ネッツトヨタ東京訪問1

東京をぐるりと回る環状七号線を走っていると、国道246号線付近で、運が良ければ道路を横切る線路の上で信号待ちで停車している小柄な「世田谷線」の電車を目にする事ができる。全長5キロメートルの都会の小さなローカル線は、地域のマスコット的な存在で「信号待ちする電車」として人気がある。かつては「たまでん」と呼ばれ、広尾の辺りから渋谷を経て二子玉川を結ぶ路面電車だった頃の記憶が、ここ「若林踏切」に残っているのだ。

「世田谷線」の「世田谷駅」にほど近い「世田谷通り」沿い、とまさに世田谷づくしの場所にある「HUB PORT 若林-ネッツトヨタ東京」を訪ねた。首都圏随一の高級住宅街「世田谷」にあって、1ブロックを占める広大な敷地に、最新の大型ディーラーの象徴ともいえる店舗を構える。これまでたくさんをディーラーを訪問させていただいたが、エスカレーターが設置されている店舗は初めてだ。“ネッツブルー”も目に鮮やかな外観とは裏腹に、店内は落ち着いた雰囲気で、ゆったりとクルマを見る事ができそうだ。

お披露目の準備が整ったプリウスPHV

オープン前に到着して洗車を済ませたプリウスPHVは、1階の中央付近に展示された。フロアー埋め込み式のコンセントはすべてアース付きなので、充電ケーブルの取り回しもスムーズに完了。さっそく店長の石田さんに“電気くださ〜い!”とプラグを差し込んでいただく。朝から雲一つない晴天に恵まれた週末とあって、家族連れで賑わいを見せ、たくさんの方に「家庭のコンセントで充電できる近未来のクルマ」を見てもらう事ができた。

プリウスPHVの展示は明日(7日)も行なわれています。

鶴見川源流の泉

エコミッション2010@ジャパン最終ステージは、すばらしい晴天で幕を開けた。多摩丘陵の低山帯を蛇行しながら続く道を走ると、尾根を越えるたびにすうっと視界が開け、初冬の澄んだ青空が広がる。

首都圏の都市河川の代表格として多摩川や利根川は頻繁に話題となるが、ここ鶴見川はマイナーな存在だ。高度成長期を支えた京浜工業地帯へ注ぐ「どぶ川」のイメージが強く、一級河川の水質調査ではワースト1の汚名を着せられていたためだろうか。しかし、他の多くの河川は遡って水源地を訪ねると深い山々に恵まれているが、そもそも鶴見川にはそれが見当たらず、流域全体が都市部に埋没しているというハンディがあるのだ。ひとたび雨が降ると、保水能力のない流域からドッと水が押し寄せて水害をもたらす「暴れ川」としても知られ、治水のためにコンクリートで護岸され、川と触れ合う機会を失った気の毒な一面もある。

「水源地はどんな所なのか?」疑問を解決すべく、地図を頼りに川の途切れる場所を目指してプリウスPHVを走らせた。
盆をいくつも伏せたように連なる丘は隙間無く住宅が密集し、取り残されたように点在する雑木林や田んぼをつなぐように流れる鶴見川の水面が輝いて見える。20kmほど遡り、地図に記された河川が途切れそうな地点でも、普通の住宅地が続いている。もしかしたら、一般家庭の水道の蛇口が水源かも知れないなどと冗談話をしていると、急に道幅が狭くなり、雑木林の丘の麓に小さな流れを見つけた。

「鶴見川源流の泉」。直径5メートルほどの池の真ん中から、澄み切った水塊が盛り上がるように沸き上がっている。標高200メートルにも満たな雑木林は、一級河川の源流という重責を必死で支えているようで、愛おしくも思える。尾根の向こう側は分水嶺でメジャー河川“多摩川”へと注ぐが、「負けるな鶴見川の源流!」とエールを贈りたい。いつまでも残して欲しい大切な場所だ。

ワースト河川とされてきた鶴見川も、1980年頃から大規模な浄水場建設や下水道整備が進み、少しずつ水質が改善されるようになると、流域の人たちが川へ戻ってきた。特にこの10年は環境意識の高まりとともに、クリーンナップ作戦や野鳥観察会など官民一体となって汚名返上に取り組んでいる。その成果は「鶴見川の鮎」という嬉しいカタチとなって現れた。数年前から遡上が確認され、毎年のように規模も場所も増加しているという。また蛍、カワセミといった清流にしか棲めない生き物も徐々に戻りつつあり、昨年は“川へ入って遊ぶ事ができる”レベルにまで回復を見せはじめている。

古くから水と共に暮らして来た“郡上八幡”では、源流の泉の清い流れをできるだけ損なう事なく下流へ繋ぐ事をあたりまえのようにして来ている。流域のほとんどを都市に囲まれた鶴見川にこそ、こんな意識が求められるのかも知れない。