せり出すように
長崎自動車道で武雄北方ICを降り、緑豊かな風景を楽しみながら伊万里をめざした。緩やかなコーナーを回る度に山は深くなり、谷は険しさを増して行く。やがて山腹のレンガ煙突から白い煙がたなびくのが見え、焼物の町、伊万里が近い事を教えてくれる。
伊万里の町の魅力を教えていただこうと、まずは市役所観光課を訪ねた。木寺さん率いる観光課の山口さん、横山さんに、秘窯の里「大川内山」をはじめフルーツ農園、河童伝説の酒蔵など、数カ所の見どころを丁寧に教えてもらった上に、何と同行案内役まで買って出ていただいた。
EVモードに切り替えて、歩くようなスピードで静かに坂道を上るプリウスPHVは、こんな風景だからこそピタリとはまる。ウインドウを開いて地元の方々と挨拶を交わしながら、中腹の駐車スペースまでのショートドライブを楽しんだ。
駐車スペースを拝借させていただいた窯元の女将さんが、エコミッションのマーキングを施したプリウスPHVに興味を持ってくれたので、ヴィークルパワーコネクター(VPC)を装着してLED照明を灯して見せると、“珍しいものを見せてもらったわ”と喜んでいただいた。その後、伊万里談義にも花が咲き、ここでもプリウスPHVを通した素敵な出会いが生まれた。
秋晴れの青空に映える山々が見守る大川内山も素晴らしかったが、観光課の山口さんによると雨上がりの霞みがかった山水画のような世界も情緒があって一層魅力的だという。四季折々に違った表情で迎えてくれる“秘窯の里”への再訪を願いながら、大川川内を後にした。
酒造りに欠かせない水が絶えぬよう、酒造店の中には水神様を奉っている所が少なくないが、伊万里「松浦一酒造」は、水に縁深い河童のいる酒蔵として知られている。
「この家には何か不思議な物が伝わっている」という言い伝えがあった酒蔵が、水害に見舞われた母屋の改修中、屋根の梁に括りつけられていた木箱を大工の棟梁が発見。木箱には「河伯」と書かれた紙が貼り付けてあり、その中から出てきた不思議な生き物のミイラが、現在も奉られている“河童”だ。
その真偽は定かでないが、水を糧として繁栄を続けてきた酒蔵に奉られた「水神様」としてこれからも大切に奉られて行くに違いない。
伊万里グルメおすすめ情報
伊万里市観光課の横山さんおすすめのレストラン「チムニー」でランチタイム。
九州ご当地グルメ大会で3年連続1位を獲得、見事に殿堂入りを果たした「伊万里牛ハンバーグ」は、芳ばしい香りを放ち、ナイフを入れるとたっぷっりの肉汁が溢れ出す至極の旨さ。かなりのボリュームだが、女性でもペロリとたいらげる事ができる逸品だ。これを目当てに来店したお客さんで賑わう店内は、レトロ調の凝ったインテリアでなかなか良い雰囲気の中、ゆったりとランチタイムを楽しむことができる。