峠道を下ると、緑の絨毯を敷き詰めたような畑に、たわわに実った濃紫のブドウがぶら下がる、いかにも甲州らしい風景が見えてきた。この夏一番と報じられる暑さが、冷涼な高原から町へ降りて来たばかりの身にこたえるが、収穫を控えたぶどう達が糖度を増すためには欠かせないものなのだろう。
「トヨタ飛行船エネルギー教室」が開催される笛吹市立石和西小学校は、少子化が取り沙汰される中、町内の児童数が急増したことから生まれた全国的にもめずらしい新設校だ。真新しい校舎の周囲にはブドウや桃の畑が広がっている。
環境にやさしい空の乗り物「飛行船」と、プラグインハイブリッドカー「プリウスPHV」を通じて、未来を担う子供たちに環境・エネルギーの大切さを知ってもらうために開催している「トヨタ飛行船エネルギー教室」。今日は紀伊&東海を巡って来たエコミッション最後の授業だ。
美しい校舎の中庭にプリウスPHVを停め、電気を使ったデモンストレーションに備えるため、先生に“プラグイン”をお願いして開演時間まで充電させていただいた。体育館では、この旅最後の開演に向けて飛行船のセッティングやステージの準備が急ピッチで進められている。
体育館に子供たちが入場して、いよいよ「トヨタ飛行船エネルギー教室」が始まった。オープニングで飛行船「エコミッション号」が子供たちの頭上を旋回すると、喝采と共に笑顔がほころぶ。飛行船博士天沼先生から環境にやさしいと言われる飛行船の仕組みや歴史について学んだ後、いよいよ横田さんの登場。エコミッションで巡ったアフリカのサハラ砂漠や南米マチュピチュなどの珍しい場所の事だけでなく、“エネルギーの自立”といった、ちょっと難しい話にも熱心に耳を傾けていた。
「トヨタ飛行船エネルギー教室」の終盤、児童を代表して数名の子供たちがマイクを握り、今日の感想を語ってくれた。ちょっと照れくさそうにしながらも、“ありがとうございました”と挨拶をしてもらい、暑さが吹き飛ぶほど嬉しかった。
体育館での授業が終わると、子供たちがプリウスPHVの元へ一斉に駆け寄ってきた。電気をもらっていた充電プラグを外し、次は電気を与える実演。信号機やLED電球、電動シャワー、シャボン玉など、いろいろな電気製品をプリウスPHVから取り出したコンセントに繋いで動かして見せると、これには子供たちもびっくり!恒例の“PHVトースト”を試食した先生方もニコニコ顔。プリウスPHVの回りはたくさんの輝く笑顔であふれていた。
たくさんの子供たちとの出会いがあった「トヨタ飛行船エネルギー教室」は、開催に向けて尽力いただいた方々、参加していただいたご父兄や地域の皆様、何より元気な笑顔で向かえてくれた子供たちのお陰で、無事に紀伊&東海の全日程を終了する事ができました。本当にありがとうございました。
またいつの日か、どこかの町の学校でお会いしましょう。