明石大橋が見えてきた。もうすぐこの旅もお仕舞い。

ファイナル“お天道様に感謝”

快晴の神戸を走るプリウスPHV
快晴の神戸を走るプリウスPHV

穏やかな瀬戸内海を15ノットでゆっくりと進む「フェリーせっつ」の両岸にはチラチラと街の灯りが瞬いている。やがて前方の空が赤く染まり、狭い海峡の真ん中からお天道様が昇ってきた。明石大橋を潜れば神戸はすぐそこ、この旅も終わりを迎える。

瀬戸内海を赤く染めながらお天道様が昇った。
瀬戸内海を赤く染めながらお天道様が昇った。

“お天道様”という言葉が好きだ。日本のみならず世界中で太陽は神として祀られてきた。それは有史以前から、全てのエネルギーが大陽から授かったものだと知っていたからだ。そして、“お天道様が見ている”などと、行動を戒める言葉にも表されているように、万物の起源として畏敬する言葉がお天道様だ。

各地で大雨などの天候不順が報じられ、天気予報とにらめっこしながら旅を続けたが、幸運にも雨で予定を狂わされる事はなく、むしろ暑さ対策に気を使う程だった。まさに“お天道様に感謝”である。

山口県光市「ひかりエコフェスタ2014」からスタートして九州を巡った今回のエコミッション。お天道様が昇って輝く海をフェリーの甲板から眺めていると、1か月間の旅で出会った人たちや美しい風景が記憶のヒダから顔を覗かせる。

真夏の陽射しにキラキラ輝く「虹ケ浜」、雄大な阿蘇の山並み、蒼き玄界灘の海面、4年ぶりに走った「やまなみハイウェイ」。全ての自然が期待を裏切らない美しさを見せてくれたが、一番驚かされたのは、この美しい場所に暮らす人たちのエネルギーに対する意識の高さだった。

プリウスPHVは100Vの家庭電源からも充電できるクルマであると同時に、自ら発電した電気をバッテリーに蓄えて運ぶことが出来る“新種”だ。災害などの非常時に底力を発揮するプリウスPHVに注がれた皆さんの熱い視線から、エネルギーを身近な問題として捉えるのは、すでに当たり前の時代になった事を感じる。

大分の「エネフォレスト」で見せてもらった小水力発電や地熱発電、九州大学と福岡市中部水処理センターがタッグを組んで取り組むバイオ水素ステーション計画など、これまで大規模施設に頼ってきたエネルギーインフラを、よりコンパクトなパッケージとして市民の手に取り戻す「エネルギー自立」への取り組みが印象深かった。

次世代の成熟した社会とは、地域の特長やコミュニティを活かしたエネルギーの自立を確立できた時に初めて実現できるのものではないだろうか。

お天道様から授かったエネルギーを、自然と共生しながら、どのように分配できるのか。知恵と技術を結集する時代がやってきた。

全ては、お天道様が見ている。

12時間の瀬戸内海クルーズを終えて神戸港に到着したプリウスPHV & プリウス。
12時間の瀬戸内海クルーズを終えて神戸港に到着したプリウスPHV & プリウス。

神戸港フェリーターミナルへ到着

「エコミッション2014@ひかりエコフェスタ&九州」は全日程を終了しました。この旅でお世話になった皆さん、WEBで応援してくれた皆さん、ありがとうございました。

先日、“一万歩チャレンジ1周年”をクリアした横田紀一郎率いるチームACPの挑戦は続きます。