ECO-MISSION2011



10月 26日 2011

平安杉の倒木から新芽が吹いていた

平安杉の倒木から新芽が吹いていた

東北自動車道を北上していると、回転灯を忙しなく点滅させながら物資や人員を載せた自衛隊や警察車両を頻繁に目にする。震災から10ヶ月以上経った今でも、崩れた切通しがブルーシートで覆われ、段差や陥没で危険な箇所の復旧工事が続いていた。上下線とも車線規制のために渋滞が頻発して移動時間が予想できない中だが、6月に世界文化遺産に登録されたばかりの「平泉」に立ち寄る事にした。これまでに何度か訪れた事のある平泉だが、東日本大震災直後の世界遺産登録という嬉しい知らせを受けて、岩手県の「復興のシンボル」として期待を寄せているという報道があったのを思い出し、どんな状況かを見てみたいと東北自動車道を降りて国道4号線沿いの「中尊寺」へ向かった。

1993年、法隆寺や姫路城、屋久島とともに日本で最初に世界遺産に登録された自然遺産「白神山地」に続き、今年6月に世界遺産リストに登録された東北地方初の文化遺産「平泉」は、数年前に申請が一度却下された経緯から、登録範囲を限定して再審査を受けたため「平泉 – 仏国土(浄土)を表す建築・庭園及び考古学的遺跡群」という長々とした名称で登録されている。

続々と到着する観光バスから人が溢れ出す

続々と到着する観光バスから人が溢れ出す

参道入口付近は人が溢れんばかりの賑わいで、駐車待ちの車列が延々と続いている。行ける所まで進もうと細い山道を登ると、すれ違うのは大型観光バスばかりなので、この先にはバス専用の駐車場しかないのではと心配したが、上り詰めた先に砂利敷きの小さな「坂の上駐車場」を発見、数台の空きがあったのでラッキーとばかりにプリウスPHVを停めた。マップを確認すると、一番の見所「金色堂」にも近いのにあまり知られていたいのだろうか、出車の時にも混雑している様子は無かったので、中尊寺参拝の折にはメインの駐車場が混雑していなくても、是非おすすめしたい駐車場だ。ここから少し下った場所には観光バスの降車場があり、県外ナンバーが混じる大型バスが続々と到着すると、旗を振るガイドに引率された観光客が降りてくる。平日にも関わらず「大挙」という言葉がぴったり来る程の混雑ぶりで、それが拝観券発行所のある「賛衛蔵」まで数百メートルも続く。「金色堂」前では主拝道「月見坂」を登って来た拝観客と合流して大群衆が出来上がり、祭りさながらの賑わいにはいささか閉口させられた。

どちらを向いても観光客だらけ

どちらを向いても観光客だらけ

みちのくの古都平泉が「復興のシンボル」としての役割をこれほどまでに成し遂げているとは思いもよらなかったが、「世界遺産」という冠名のチカラを改めて感じ、驚きと同時に嬉しさがこみ上げてきた。それは経済効果もさることながら、郷土の誇りとして平安時代から受け継いで来た伝統・文化が、世界に認められ、注目されているという事が心の支えになっていると感じたからだ。これから先も続けて行かなければならない長い長い復興の道筋を照らすように中尊寺「金色堂」は光輝いていた。

世界文化遺産認定で活況の「平泉中尊寺」

Music by DEPAPEPE

明日は「被災地三陸海岸に戻ってきた鮭を支える人々」を予定しています。
ご期待ください。


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10月 25日 2011

先日訪ねた“最北端のGazooMura”北海道下川町から初雪の便りが届いた。冬の到来を間近に控え、今シーズンの冬タイヤ選びを考えている方も多いと思うが、グッドイヤーが主力スタッドレスタイヤとして好評を得ている「アイスナビゼアll」の走行性能を知ってもらおうと、トヨタ部品茨城共販主催、日本グッドイヤーのサポートの下、茨城県下の販売店各社を招いてアイスバーン走行体験&トークイベントが開催された。

スケートリンクは気温8度と冷え込む

スケートリンクは気温8度と冷え込む

3台の大型バスに便乗した販売店の方々がイベント会場の「磐梯熱海アイスアリーナ」に到着。アイスバーン走行体験が行われる屋内スケートリンクに集合していただき、トヨタ部品茨城共販の神賀部長の挨拶でイベントがスタートした。固く引き締まった氷の張る会場の温度は8度とかなり冷え込むため、参加者全員が真冬の装いだ。氷上では、グッドイヤー「アイスナビゼアll」と競合他社のスタッドレスタイヤを履いた3台のクルマが準備され、「発進」「スラローム」「制動」と、タイヤ性能を計る各セクションが設けられている。コース説明の後、いよいよ試乗会がスタート。いわゆる「ブラックアイス」のツルツル路面を想定した氷上走行だが、近年のスタッドレスタイヤは驚くほど路面を捉え、普通の舗装路を走っているようにスムーズにコースに並ぶパイロンの間をすり抜けて行く。しかし、タイヤの限界を知るためラフにアクセルを開けて見ると、たちまちタイヤは空転してあらぬ方向にクルマが滑り出し、コントロールが難しくなる。いくら高性能スタッドレスタイヤを履いているとはいえ、アイスバーンや圧雪路では「ゆっくり発進・ゆっくり回頭・ゆっくりブレーキ」が基本である事も体験してもらっていた。

発進、スラローム、制動を試した

発進、スラローム、制動を試した

プリウスPHVが充電している様子を見てもらおうと、会場の玄関先に停めてケーブルのセッティングを済ませ、トヨタ部品茨城共販の神賀部長に“プラグイン”していただいた。“カチッ”という手応えの後、充電量を見えるように開発した「エナセンサー」の電気料金のカウンターが動き出すと、周囲に集まっていた皆さんも興味深くそれを見ていた。クルマ業界の方ばかり集まったイベントだが、一般発売前のプリウスPHVを初めて見る方がほとんどで、充電時間や走行可能距離などの質問はもちろん、エンジンルームや荷室の隅々までチェックが及び、発売が間近に迫ったプリウスPHVを知っていただく良い機会になった。

燃費や充電時間などに質問が集中する

燃費や充電時間などに質問が集中する

別棟の会議室では「エコ・トークイベント」と銘打って、我々チームACPがこれまでに巡ってきた各地の環境最前線や、プリウスPHVが開く新しいエネルギー社会に関する講演が行われた。参加された皆さんには、プロジェクターに映し出される世界中の写真を見ながら、話に耳を傾けていただいた。20代とおぼしき熱心な参加者も多かったので、若いチカラでクルマ業界を牽引する次世代の活躍にも期待が持てるだろう。「スタッドレスタイヤ販売講習」を含めた各プログラムに、参加者多数のため3つのグループに分かれて交代で参加しながら、クルマ業界の“冬仕度”とも言えるイベントは陽が落ちて暗くなるまで続いた。一般の方が参加することはできないが、クルマを運転する全ての方々のために、業界関係者がこういったイベントで新しい知識を得ようとする熱意が感じられ、有意義な時間を共有する事ができた。しばらくするとこの周辺も雪景色に変わり、グッドイヤー「アイスナビゼアll」が活躍する日も近いだろう。雪道ではくれぐれも「ゆっくり発進・ゆっくり回頭・ゆっくりブレーキ」を忘れずに。

スタッドレスタイヤ試乗会&トークイベント@磐梯熱海アイスアリーナ

Music by DEPAPEPE


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10月 24日 2011

幹線道路を外れて農村へ

幹線道路を外れて農村へ

なだらかな丘陵地が連なる秋田〜山形県の道を走っていると、どことなく女性的な印象を覚える。ゆったりとスイングするような道程で時折現れる高い山々さえも柔らかな稜線が印象的で、優しく包みこまれているようだ。今日は日本海側の山々を見送り、奥羽山脈を貫く山形自動車道(一部区間は月山道路)から東北自動車道を経由して福島県へ向かった。

“プラグイン”して充電中のプリウスPHV

“プラグイン”して充電中のプリウスPHV

街角や高速道路のサービスエリアにプリウスPHVを停めていると、“おっ、電気自動車ですか。”と声を掛けられることが多い。これは販売店などで開催している展示イベントでも同様で、「プラグイン・ハイブリッド」というカタカナ言葉では実態が捉え難いようだ。「EV車=電気自動車」はマスコミにも大きく取り上げられているし、“電気で走るクルマ”のひと言で誰もが納得する単純明快なものなので、充電プラグの挿入口を見て“電気自動車”が口を衝いて出るのも無理は無い。「PHV=プラグイン・ハイブリッドカー」の場合、多少知識のある方でも、どんなクルマなのかを正確に伝えるのは少しハードルが高いのかもしれないが、後述のように機能をバラバラにして和訳すると理解しやすい。

●現在市販されている「ハイブリッドカー プリウス」
・電気を蓄える=ニッケル水素バッテリー
・電気を作る=回生ブレーキ
・電気で回る=モーター
・ガソリンで動く=レシプロエンジン

●これから発売される「プラグイン・ハイブリッドカー プリウス」
・充電する=プラグイン機構
・電気を蓄える=4倍の容量のリチウムイオンバッテリー

・電気を作る=回生ブレーキ
・電気で回る=モーター
・ガソリンで動く=レシプロエンジン

見ての通り太字の2項目だけが従来のプリウスとの違いで、「バッテリー容量を増やして充電できるようにした新しいプリウス」と言えば分かっていただけるのではないだろうか。予備知識として、「普通の100Vコンセント(アース付)から充電できて3時間で満タンになり、電気代は約85円ほど。速度100km/h以下なら電気だけで23.4km走行できる」と覚えておけば、簡潔に他の誰かに伝える事ができる。

もうひとつ付け加えると、正確な時期や詳細についての発表はされていないものの、プリウスPHVに蓄えた電気を取り出して使う事ができる「給電機能」が搭載されるという。その出力容量は、すでに搭載済のエスティマHVやハリアーHVと同等の1.5kwが予想されており、屋外や災害時など電源の無い場所でも、照明器具はもちろん、炊飯器や電子レンジなど大半の電気製品を使うことが可能だ。本来はスマートグリッド(こちらを参照)のために開発される機能だが、クルマの新しい世界が広がる嬉しい装備であることに間違いないだろう。

以上、いよいよ一般発売が迫るプリウスPHVをできるだけ解りやすく解説した入門講座でした。
明日はスケートリンクで開催されたスタッドレスタイヤ試乗会の模様をレポートします。
お楽しみに。

日本海側から山形自動車道を越える奥羽路ドライブ

Music by DEPAPEPE


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