なだらかな丘陵地が連なる秋田〜山形県の道を走っていると、どことなく女性的な印象を覚える。ゆったりとスイングするような道程で時折現れる高い山々さえも柔らかな稜線が印象的で、優しく包みこまれているようだ。今日は日本海側の山々を見送り、奥羽山脈を貫く山形自動車道(一部区間は月山道路)から東北自動車道を経由して福島県へ向かった。
街角や高速道路のサービスエリアにプリウスPHVを停めていると、“おっ、電気自動車ですか。”と声を掛けられることが多い。これは販売店などで開催している展示イベントでも同様で、「プラグイン・ハイブリッド」というカタカナ言葉では実態が捉え難いようだ。「EV車=電気自動車」はマスコミにも大きく取り上げられているし、“電気で走るクルマ”のひと言で誰もが納得する単純明快なものなので、充電プラグの挿入口を見て“電気自動車”が口を衝いて出るのも無理は無い。「PHV=プラグイン・ハイブリッドカー」の場合、多少知識のある方でも、どんなクルマなのかを正確に伝えるのは少しハードルが高いのかもしれないが、後述のように機能をバラバラにして和訳すると理解しやすい。
●現在市販されている「ハイブリッドカー プリウス」
・電気を蓄える=ニッケル水素バッテリー
・電気を作る=回生ブレーキ
・電気で回る=モーター
・ガソリンで動く=レシプロエンジン
●これから発売される「プラグイン・ハイブリッドカー プリウス」
・充電する=プラグイン機構
・電気を蓄える=4倍の容量のリチウムイオンバッテリー
・電気を作る=回生ブレーキ
・電気で回る=モーター
・ガソリンで動く=レシプロエンジン
見ての通り太字の2項目だけが従来のプリウスとの違いで、「バッテリー容量を増やして充電できるようにした新しいプリウス」と言えば分かっていただけるのではないだろうか。予備知識として、「普通の100Vコンセント(アース付)から充電できて3時間で満タンになり、電気代は約85円ほど。速度100km/h以下なら電気だけで23.4km走行できる」と覚えておけば、簡潔に他の誰かに伝える事ができる。
もうひとつ付け加えると、正確な時期や詳細についての発表はされていないものの、プリウスPHVに蓄えた電気を取り出して使う事ができる「給電機能」が搭載されるという。その出力容量は、すでに搭載済のエスティマHVやハリアーHVと同等の1.5kwが予想されており、屋外や災害時など電源の無い場所でも、照明器具はもちろん、炊飯器や電子レンジなど大半の電気製品を使うことが可能だ。本来はスマートグリッド(こちらを参照)のために開発される機能だが、クルマの新しい世界が広がる嬉しい装備であることに間違いないだろう。
以上、いよいよ一般発売が迫るプリウスPHVをできるだけ解りやすく解説した入門講座でした。
明日はスケートリンクで開催されたスタッドレスタイヤ試乗会の模様をレポートします。
お楽しみに。
日本海側から山形自動車道を越える奥羽路ドライブ
Music by DEPAPEPE
category: ECO-MISSION2011,東北
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