3連休の初日、昨日までの悪天候が嘘のような青空が広がっていた。朝食もそこそこに札樽自動車道で札幌へ向かう。今日は北海道で初のプラグインハイブリッド(PHV)のお披露目が、ホッキョクグマの自然繁殖に成功して一躍有名になった円山動物園で開催される。しかし、いくら環境に優しいエコカーとは言え174種の野生動物が暮らす園内によくクルマの展示許可がおりたものだ。交渉を担当して頂いた方に聞いてみると「円山動物園は、札幌環境局が運営管理していてエコミッションの活動を理解してくれました。」とのこと。この言葉に気をよくして円山動物園の職員ゲートにPHVを停めると「おはようございます。」と元気な声と一緒に入館許可証が渡された。すかさず案内の方に誘導された駐車場には、100Vの電源が用意されていた。
1951年に開設された札幌円山動物園は、当時北海道の中核的な存在だった。その後、1997年には動物の形態展示から行動展示に施設をリニューアルした旭山動物園が注目され、NHKの「プロジェクトX」やテレビドラマの放映などで入場者数全国一になるにつけ、円山動物園の入園者数は激減。2005年、ホッキョクグマ「ピリカ」誕生を機に円山動物園は体感、体験、地域貢献型動物園へと変革する。年間パスポート1,000円(1年間有効)。中学生以下、65歳以上の札幌市在住者、身体障害者と介助者は無料など、地域に優しい料金設定を導入。一方、施設のインフラを整備し、動物の生態や自然環境を体験で学ぶ「ドキドキメニュー」など、ユニークなイベントを連日きめ細かく開催している。現在、入場者は増加傾向にあるそうだ。
家庭用100V電源をPHVにセットして時計を見ると9時の開園時間。晴天の祭日とあって開門と同時に親子連れが続々とゲートをくぐる。今日の「ドキドキメニュー」は、ビーバーの家づくり、カバの大口拝見、猛禽類のフリーフライト、リスざるのお食事タイム。エランドのワンポイントガイドとランチタイムまで続く。予約した「エゾシカの角でキ-ホルダーを作る」は、お昼少し前だ。小走りで丘を登ると、すでに子供たちが待っていた。
テーブルの上にエゾシカの角が数本並べられ、子供も大人も手に取って撫でまわす。開催している酪農学園大学の学生さんの説明によると「エゾシカの角は春にポロリと落ちます。ここに置いてあるのは拾ってきたものです」。鋭く尖った枝角が畑や田んぼに落ちていると、踏んで怪我をしたり農耕機材を壊してしまうそうだ。角に触ってみると結構重い。長さ40㎝はあるだろう、1年でこんな成長するとは驚きだ。
平成12年度のエゾシカ農林被害は50億円にもなる。エゾシカは北海道の森林や農林を食いつくし増殖している。天敵絶滅、ハンターの老齢化などが主な原因と考えられている。
午後になるとPHVの展示にも大勢の人が来てくれ、特別参加の「マルヤマン」登場で子供たちは大喜び。テレビ取材もあって賑やかな雰囲気になった。充電風景を記念撮影する人、来年発売のニュースをキャッチしてか、初老の方から価格の質問も多かった。
晴天に恵まれた円山動物園訪問は「東北災害地」に向け応援メッセージを頂いて、夕日を迎えた。
Filed under: ECO-MISSION2011,北海道
Trackback Uri
最近のコメント