しばらく滞在していた名古屋市街地を抜け出し、東名高速を東へ向かう。この季節にしてはめずらしく空が濃いブルーに澄み渡り、快調なペースで滑るように走るプリウスPHVとのドライブは気分爽快だ。向かう先は長野との県境にある豊根。深い森に抱かれた美しい山里で、どんな出会いが待っているのだろう。
深い山々を抜けて長野県飯田へいたる国道151号線沿いを一気に駆け上がり豊根村に入ると、谷沿いを蛇行する峠道の両側には、丁寧に管理された美しいヒノキの森が広がっている。豊根は面積の90%以上が山林で古くから林業が盛んな場所。集落に入ると伐採されたヒノキが積み上げられた製材所から、清涼感たっぷりのヒノキの香りが漂ってきた。マチの風に慣れ切った身体が、ゆっくりと蘇る気がする。
ヒノキの森と渓谷の美しい流れを楽しみながら、ここ豊根の見どころを教えてもらおうと豊根観光協会を訪ねた。出迎えてくれたのは優しい笑顔の村松さん。愛知県で一番高い茶臼山やみどり湖など、地図を広げて道順まで紹介していただいた。
豊根観光の前に、まずは観光協会から5分ほどにある今夜の宿泊先「清水館」へ立ち寄ってご挨拶。立派な佇まいの美しい建物と手入れの行き届いた渓谷を上手く生かした庭が魅力的だ。早速、出迎えてくれた若旦那、てつやさんにプラグインをお願いして充電させていただいた。
観光協会の村松さんと清水館の女将さんの両者お勧めの「茶臼山」へと向かう道すがら、美しい山林に囲まれた駐車スペースを発見!手前の草原には“ヒナギク”の群生のオマケ付きだ。
“久しぶりに、アレやろうか。…床屋。” 横田さんが言った。
旅の間に伸びてきた頭髪を、プリウスPHVの電気でバリカン散髪しようという、エコミッションではシリーズ化された催しである。美しい景色を見つけた時に度々登場してきた“PHV床屋”だが、今回もなかなか素晴らしいシーンになった。
きれいサッパリ頭髪も整ったところで、再スタート。
おすすめスポットへ向かう坂道をさらに登ると森林はまばらになり、視界が開けた先に、雲の切れ間からこぼれる陽の光を受けて輝く茶臼山が見えてきた。芝の鮮やかなグリーンが眩しい。平日とは言え、さすがに人気の場所だけあって多くのハイカーやバイクツアラーなどで広い駐車場が賑わっていた。
駐車場を出て山の裏側へ回る道を進むと、さらに視界が開け、ヒノキの森の向こうには連なる山々の美しい眺望が続く。茶臼山周辺はどこから眺めても“絵”になる名所だった。
茶臼山の眺望を楽しんでいると、雲行きが怪しくなってきた。この一帯は今の季節、夕方近くなると連日激しい夕立がある。雨は短時間で止み、強い陽射しで蒸し暑さがぶり返す。そして夜には上着を羽織らないと凍えそうなほど冷え込むのだ。この独特のサイクルが森の木々、特にヒノキの成長に適しているという。
突然の雨に追われるように山を降りて「清水館」へ戻り、少し早めにチェックインする事にした。気遣いと手入れが行き届いた館内は長期の滞在でもゆったりと寛げそうだ。メンバーは夕食までの間、ヒノキ林を見ながらの入浴や周囲の散策など、思い思いに豊根のひとときを満喫した。
お腹ぺこぺこで向かえた夕食タイム。ウッドデッキのテーブルには山の恵みとジンギスカンの豪勢な食事が並ぶ。その食材の数たるや、軽く50種類を超えるのでは。手間ひま掛けた逸品揃いのディナーに舌鼓を打った。
明日も豊根の山中へ入り、エネルギーを生み出す現場を紹介します。
お楽しみに。