“風林火山”をテーマに4つの家族風呂を楽しめるのが嬉しい。

GazooMura 梅ヶ島「安倍川の豪快な流れと名湯」

梅ヶ島を行くプリウスPHV。安倍川最上流に掛かる赤い橋が温泉郷らしさを引き立てる。
梅ヶ島を行くプリウスPHV。安倍川最上流に掛かる赤い橋が温泉郷らしさを引き立てる。

新東名高速・新静岡I.C.を降りて安倍街道(県道29号)を北へ向かうと、ゴロゴロと大きな岩が転がる安倍川の広大な河川敷が見えてくる。大河内を過ぎた辺りから景色が一変、山は高く急峻に、谷は深く切れ込み、マチの暮らしでは味わう事のないワクワク感が込み上げてくる。

南紀田辺からスタートしたエコミッションは紀伊半島を回った後、愛知県を経て静岡県に入った。新東名高速の開通でぐっとアクセスが良くなったガズームラ梅ヶ島。「GazooMura(ガズームラ)」とは、インターネットとクルマを通じて、マチで暮らす人々にムラでしか味わえない感動体験をナビゲートし、出会いの輪を広げて日本を元気にしようという新しい取り組みだ。全国から選りすぐり58カ所が登録されており、秘境の名湯として知られた梅ヶ島が静岡県代表として選ばれている。

大河内を過ぎた辺りから徐々に川幅が狭くなり、豪快な流れを見せる安倍川。
大河内を過ぎた辺りから徐々に川幅が狭くなり、豪快な流れを見せる安倍川。
小中学校がある梅ヶ島の町。さらに15キロ程上った先がガズームラ梅ヶ島だ。
小中学校がある梅ヶ島の町。さらに15キロ程上った先がガズームラ梅ヶ島だ。
梅ヶ島へ抜ける数珠窪トンネルでは猿のレリーフがお出迎え。
梅ヶ島へ抜ける数珠窪トンネルでは猿のレリーフがお出迎え。

全国に“暴れ川”の異名を持つ河川は数多いが、安倍川はその最たるもの。過去には多くの被害をもたらしたが、弛まぬ治山工事や砂防ダムの建設によりその猛威を封印して、今では脅威を抱かずとも急峻な起伏が織りなす素晴らしい景色を見る事ができるようになった。

ガズームラ梅ヶ島でお世話になる安倍川沿いの「湯の島館」に到着。さっそくプリウスPHVをガズームラの旗が立つエントランス前に停めて、ご主人の秋山さんに充電をお願いした。温かいお人柄でゆったりとした気分にさせてくれる秋山さんは大のクルマ好き。プリウスPHVにも興味を持っていただき、充電時間や走行フィールなどの質問をいただいた。

「湯の島館」に到着。梅ヶ島温泉郷の10軒宿の中で一番大きな旅館だ。
「湯の島館」に到着。梅ヶ島温泉郷の10軒宿の中で一番大きな旅館だ。
ご主人の秋山さんにプラグインをお願いした。
ご主人の秋山さんにプラグインをお願いした。

湯の島館の料理に欠かせないという地元名産「駿河軍鶏」の飼育場が近くにあるという。もしや今夜の料理に出てくるかもしれない食材の生きた姿を見るのは少々気が引けるが、命をありがたくいただくためにも見るのは大切。案内していただく事にする。

茶畑が広がる美しい谷間に入ると“ッケコッコ〜”と雄鶏が高らかに鳴くのが聞こえる。ゆったりとした環境の飼育場に、全身に光沢を帯びた黒い羽根をまとった「駿河軍鶏」が放鶏されている。雄鶏は眼光鋭く堂々と振る舞い、数羽の雌鳥がそれに続く。ヒナから半年程、梅ヶ島の茶葉を加えてた飼料で大切に育てられた若鶏は、癖がなく弾力のある肉質が特徴で、多くの食通を唸らせる実力との事。駿河軍鶏は今夜のメニューに加えていただいているというので、果たしてどんな味がするのだろうか。

広々とした鶏舎で大切に飼育されている地域名産の駿河軍鶏。
広々とした鶏舎で大切に飼育されている地域名産の駿河軍鶏。
一日の気温差が激しい梅ヶ島は銘茶の産地としても知られる。
一日の気温差が激しい梅ヶ島は銘茶の産地としても知られる。

湯の島館でチェックインの後、ご主人に館内を案内していただいた。木をふんだんに使用したエントランス、各部屋ごとに趣向の違う演出の和室、そして何と言っても名湯の誉れ高い浴室は「風林火山」をモチーフに4つの家族風呂を備えた贅沢なおもてなしで旅人を癒してくれる。梅ヶ島の源泉は温泉王国静岡で唯一の自然湧水硫黄泉という独特なもの。癖はないものの、とろりと身体にまとい付く“濃い温泉”は、くたびれた身体によく効きそうだ。

各部屋にはそれぞれ特徴があり、中には素敵なロッキングチェアで寛げる演出も。
各部屋にはそれぞれ特徴があり、中には素敵なロッキングチェアで寛げる演出も。
安倍川の流れを見渡しながら美しい和室でゆったり寛げる。
安倍川の流れを見渡しながら美しい和室でゆったり寛げる。
“風林火山”をテーマに4つの家族風呂を楽しめるのが嬉しい。
“風林火山”をテーマに4つの家族風呂を楽しめるのが嬉しい。

安倍川の周辺を散策して宿に戻ると、いよいよ夕食の時間である。手の込んだ創作懐石料理が中心で、昼に見た駿河軍鶏は鍋で振る舞っていただいた。生きた姿を見たせいか、いつも以上に“いだたきます!”に気持ちがこもる。シャキシャキとした弾力だがスッと噛み切れコクのある味わい、これは美味い。ひとくちで駿河軍鶏のファンになってしまった。

お楽しみの料理は手の込んだ懐石と駿河軍鶏の鍋。
お楽しみの料理は手の込んだ懐石と駿河軍鶏の鍋。
駿河軍鶏の鍋の〆はうれしいラーメンでした。
駿河軍鶏の鍋の〆はうれしいラーメンでした。
梅ヶ島で温泉旅館「湯の島館」のご主人、秋山さん。ごちそうさまでした。
梅ヶ島で温泉旅館「湯の島館」のご主人、秋山さん。ごちそうさまでした。
こちらは朝食。心のこもった料理に感謝。
こちらは朝食。心のこもった料理に感謝。

食事に振る舞われた見事な“本わさび”は梅ヶ島でとれたもので、銀座の三ツ星レストランでも使われている一級品との事。生産者と方を紹介していただけるという秋山さんに案内されて、安倍川沿いの“わさび田”を訪ねる事にした。

明日は独特の方法で栽培されている、渓流の恵み「わさび」をお伝えしたい。
お楽しみに。

梅ヶ島名産の本わさびは、味はもちろん大きさも一級品だ。
梅ヶ島名産の本わさびは、味はもちろん大きさも一級品だ。

ガズームラ梅ヶ島の宿「」