エコミッション一行を避けているのだろうか。梅雨だと言うのに3週間余も本格的な雨に遭遇する事なく旅を続けている。今日にしても、明け方までの雨が出発時刻にはピタリと止み、澄んだ青空が広がった。向かった先は、強い陽射しにキラキラと輝く浜名湖。カタチの良い入道雲がゆっくり頭上を通り過ぎ、北の山々へ吸込まれて行く。
「地球のたまご」は、自然エネルギーを活用して地球を救う研究や情報発信の拠点として造られたOMソーラーの本部施設。太陽熱を効率よく循環させて快適な住まいを提供するという自社製品だけでなく、環境保全や自然エネルギーの可能性を模索する場でもある。
もともと養鰻池を埋め立てた荒れ地だった場所に水路を巡らせて自然に近い湿地や池を掘り、浜名湖周辺の在来植物を植え、長い時間を掛けて健康な水源に戻す取り組みを続けている。“快適な暮らし”を住まいだけでなく、周辺の環境を含めて実践しているOMソーラーを一歩先を行く企業として注目したい。
ここで二日間に渡って行われる「天ぷらカー ワークショップ」の話を聞きつけ、“これは面白そう!”と、エコミッションも飛び入り表明。開催初日に浜名湖畔にあるOMソーラー「地球のたまご」を訪れた。
広大な敷地に建つセミナーハウスに到着すると、OMソーラーの村田さんが穏やかな笑顔で出迎えてくれた。ワークショップの後、プリウスPHVの展示デモを申し出ていたので、まずはプラグインをお願いして充電させていただく事に。エネルギーに造詣が深い村田さんもプリウスPHVのプラグインは初めてらしく、嬉しそうな笑顔で記念撮影に応じていただいた。
充電しているあいだに周辺を散策すると、環境対策のさまざまな創意工夫が見られる。生活排水を池に流して生物濾過を実践したり、緑化した天板で温度調整をしている“し尿処理”のバイオマス浄化槽もある。さすがは環境企業だけの事はあると感心させられる。ふと見ると頭上をハグロイトトンボが舞い、足元にはたくさんのアカテガニが群れている。OMソーラーが理想とする環境が少しずつ実現してきているのではないだろうか。
「天ぷらカー」ワークショップで全国を飛び回っている満月屋の岩本さんが今日の講師。屋号入りのつなぎ姿で登場し、一日目のプログラムは「天ぷらカー」を理解しようという、言わば学科のような内容だ。ディーゼルエンジンの仕組みから、廃天ぷら油の調達方法まで丁寧に説明が続く。参加者にはメカには疎いという女性もいたが、わかりやすい語り口で理解に苦しむ事はなかった。
その後、屋外に停めてある岩本さんの愛車を使って、燃料ポートやフィルターなどの補助具が取り付けてあるエンジンルームを見ながら、機能の説明が続く。これほど小規模な装置を取り付けただけで「天ぷらカー」に変身できるとは驚きだ。
ただし、肝心なのは廃天ぷら油の精油方法だが、ホームセンターなどで手に入る材料で岩本さんが自作した濾過装置を使った実演では、最後に出来上がるクリアな燃料に、参加者は納得の様子だった。
満月屋の岩本さんが参加者からのいろいろな質問に答えた後、横田さんが登壇。エコミッショントークショーが始まった。もともと環境やエネルギーに敏感な方ばかりなので、エコミッションにも当然のように興味を持って耳を傾けていただき、メモを取りながら聞き入る人もいたほど。クイズを交えた内容に笑顔が絶えない楽しいトークショーとなった。
会場の外で充電していたプラグをビークルパワーコネクターに差し替え、プリウスPHVの電気を使ったデモンストレーションを見ていただいた。低燃費のクルマで電気が運べる驚きと、屋外でも電化製品が使える楽しさを伝えられたのではないだろうか。残念ながら明日の実製作には参加できないが、このワークションプが終わる頃には、何名かの“天ぷらカー”ユーザーと、プリウスPHVファンが誕生している事を期待したい。
突然と参加表明にも関わらず受け入れてくれたOMソーラーの皆様、ワークショップ参加者の方々、声を掛けてくれた松本さん、ありがとうございました。旅先で今日見せていただいた事を伝えて行きたいと思います。