2011年 6月



6月 14日 2011

EV車/HV車専用タクシー乗場

EV車/HV車専用タクシー乗場

今年春に新しく生まれ変わった大阪駅に、駅としては全国初のエコタクシー乗場が新設されたというので訪ねて見た。5月23日にオープンしたばかりという乗場は、ノースゲートビルディング2階入口付近。エコタクシーとして登録された車両のみが入場可能で、入口にはガードマンが配備されている。プリウスPHVを駅駐車場へ停車して、早速試乗してみる事にした。EV車/HV車それぞれに専用の乗車スペースが設けられ、日産リーフとトヨタプリウスが停車していた。ここは当然の事ながら乗る機会の少ないEV車を選択。浪速気質の陽気なドライバーさんに駅周辺を回っていただいた。

■ドライバーさんが現場の生の声を冗舌に語っています。(必見!)

登録しているエコタクシーは、38社が参入し、EV車が50台、HV車が20台。今後も増えて行く見通しだというが、告知が不十分で乗車客が極端に少なく、乗場が駅中心部から離れているため、専用のシャトルバスが運航されているなど、本末転倒とも言える運航状況は早急に改善が望まれる。

40台が待機可能な専用通路

40台が待機可能な専用通路

エコタクシー乗場の他にも大阪新駅は環境対策を積極的に取り入れた「次世代エコステーション」を目指して建設が進められた。新駅のシンボルともなっているのガラス張りの大屋根に降った雨水や、飲食店街からの上排水を地下に設置した貯水槽に溜めて濾過し、トイレや雑用水の9割に再利用される。また、屋根には約800平方メートルの太陽光発電パネルが設置され駅で使用される電力の25%をまかなうという。屋上に「天空農園」を開設して野菜や果物を栽培したり、風力発電風車が設置されるなど、大規模なエコステーションとして生まれ変わった大阪駅に今後も注目していきたい。


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6月 13日 2011

加古郡稲美町は雨の少ない瀬戸内気候に加え、高台にあるために水資源に乏しく、古くから多くの用水池が作られてきた。地図を見ると台地に点在する池の多さに驚かされる。
Google Map参照
今回の「田植え体験」も、15ヘクタールはあろうかという大きな広谷池の脇にある「mama farm」農園の田んぼで行なわれた。

小雨まじりの中、田んぼに囲まれた集合場所へ向かうと、レインコート姿の子供たちが笑顔で出迎えてくれた。子供たちに農業体験を通じて米や野菜の大切さを感じてもらおうと「田植え体験」を実践しているNPO法人「収穫の里」代表の藤本さんとお父さんの田植え指導の後、裸足になって田んぼに入った。

植え方の見本を示す藤本さん

植え方の見本を示す藤本さん

冗舌でユーモアたっぷりなお父さんの田植え指導に和やかムード

田んぼの中を一歩踏み出すたびに、裸足になった指の間を“にゅるり”と通り抜けるどろんこの感覚が気持ちよく、大はしゃぎで苗を植え始める。小さな女の子は胸まで浸かりながらも楽しそうな笑顔、お母さんたちからも笑い声が絶えない。普段は側を通り過ぎるだけの田んぼも、こうして中に入ってどろんこまみれで田植えを体験すると、ぐっと身近な存在に変わり、ごはんをいただく度にあの“にゅるり”とした感覚やみんなの笑顔を思い出すだろう。

全身で田植えを満喫しています

全身で田植えを満喫しています

参加者全員の協力で田植えが終わり「エコミッションファーム」の証しとしてプリウスPHV、飛行船、アンペルマンの看板を掲げてもらった。これから盛夏に向けてすくすくと育ち、無事に実りの秋を迎えてくれるはずだ。

田植えが済んだプリウスPHV田んぼ

田植えが済んだプリウスPHV田んぼ

田植えの後は納屋をお借りしてカカシ作りを体験する。顔を作るチーム、胴体を作るチームに分かれて悪戦苦闘しながらも3体の立派なカカシの完成!それぞれに個性があってなかなかの出来映えに一同大満足。本来ならば田んぼに立てて眺めたい所だったが、雨が激しくなって来たため、あえなく断念。藤本さんに委ねることにして体験は終了した。

日本人にとって一番身近な食べ物であるお米を育む「田んぼ」と触れ合い、苗のひとつひとつに気持ちを込めて植える体験は、共同作業の楽しさと同時に、田んぼの環境や食物の大切さ、丹誠込めて米作りに取り組む農家の方々の姿を子供たちに伝える最適な方法なのかも知れない。さらに激しさを増す雨の中、頭を垂れる稲穂を思い浮かべながら、稲美町を後にした。

藤本さんはじめNPO法人「収穫の里」のみなさん、お世話になりました。
田植え体験させていただいた「エコミッションファーム」の生育状況は「mama farm」Webサイトにアップされる予定です。


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6月 12日 2011

雨霞に煙り白一色の世界だった吉備中央町から岡山自動車道を南下、中国山地を抜けて山陽道に乗り継ぐ頃には空が明るさを取り戻し、心配していた雨の気配が薄らいだ。今日は「法隆寺地域の仏教建造物」とともに、日本で初めてユネスコ世界遺産に登録された「姫路城」を訪れるため長時間屋外を歩き回る事になる。晴天とは言わずとも雨だけは勘弁願いたいとの祈りが通じたのか、終日雨という予報が外れてくれたようだ。

姫路城に到着したプリウスPHV

姫路城に到着したプリウスPHV

姫路城は半世紀ぶりに「平成の大修理(2009~2014)」が行なわれているため、大天守部分が足場建屋に覆われている。「白鷺城」の異名を持つ外観の美しさの全貌を味わうことはできないが、足場建屋内に開設されている大天守修理見学施設「天空の白鷺」では、天守閣の高さまで昇り、改修中の作業を間近で見る事ができるという。また、普段は立ち入る事ができない区画が改修期間に限定公開されているなど、50年に一度の改修に立ち会える事は、外観の楽しみを差し引いても余ある絶好の機会に胸が高鳴る。

大天守は改修足場建屋に覆われている

大天守は改修足場建屋に覆われている

太平門をくぐり三の丸へ向かう先に世界文化遺産記念碑が建っている。この場所からの眺めが良く知られる姫路城の姿として絵はがきなどにも登場している。桜並木をしばらく進み、美しい塀に囲まれた殿中へ入ると、敵軍の襲来を想定した迷路のような急坂が続き「順路」のサインがなければ本丸へたどり着くのは難しいかもしれない。鉄砲や槍を突き出す穴がこちらを狙って並び、場内の壁には大量の武器が掛けてある。城とは戦う砦でもあり武士の精神が宿っている場所なのだと再認識した。

本丸に到着すると特別展示「天空の白鷺」には多くの見学者が集まっている。高層ビルの工事現場のような鉄骨組の建屋に入りエレベーターで大天守のある最上階へ昇る。片側がガラスになっているため、目の前を漆喰の壁や重厚な屋根瓦が通り過ぎて迫力満点だ。各フロアにもガラス窓が設けられ、屋根を葺き替え中の作業工程がつぶさに見学できる工夫がされ、全国から集結した匠の技を間近で見られる展示方法に感心させられた。

修復が済んだ鯱が取付けを待っている

修復が済んだ鯱が取付けを待っている

日本木造建築の最高峰とも言われる姫路城の大改修が半世紀ごとに行なわれるのは、風雨に晒されて痛んだ部分を補修するだけでなく、幾代にも渡り培われてきた技術と伝統を絶やす事無く後世に継承するという大切な役割を果たしているという。半世紀というサイクルは成熟した技術を有能な職人に引き継ぐために欠かす事のできないタイミングなのだ。日本が誇る匠の技とは、世代を引き継ぐ行為そのものなのかも知れない。

かつては武士のものだった城も、現在では市民の手に渡り、海外からも大勢の観光客が訪れている。そして、争いの象徴だった城の建築技術や美意識に驚嘆し、日本に対する理解を深めるきっかけになり、平和を作り出す機会を創出しているのはとても興味深くすばらしい事だと思う。城を通じて、匠の技も精神も欠かす事なく後世に引き継いでもらいたいと願うばかりだ。


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