6月 23日 2011

皆さんは子どもの頃“木登り遊び”をした経験がおありだろうか?五十路を過ぎたボクなどは、神社の境内にあった鎮守の森で裸足になって木登りに興じ、セミを穫ったり基地遊びに夢中になっていた事を鮮明に覚えている。今になってその木々を見ると、足がすくむような随分高い所まで登っていたものだと我ながら感心する。もしも落下すれば大怪我は間違いなかっただろうが、その頃の大人達はただ見守ってくれていた。それは、大人達もそうして森と接し、本当に危険な事が何かを理解していたからだと思う。

塩江の深い森に佇むツリーハウス

塩江の深い森に佇むツリーハウス

エコミッションでは10年前から、「白神山地のブナ原生林」のように原始のままの荘厳な森、隅々まで人の手が入り、自然と触れ合う事を目的とした「十勝千年の森」など全国のさまざまな森を見て来た。残念な事に多くの森が、森林労働者の高齢化や安価な輸入材木に押されるなど、林業の衰退とともに世代を超えて受け継がれて来た森との関わりが途絶え、人の手が入らずに荒れてしまった“放置林”となっている現状を目の当たりにしてきた。ここ塩江でも同じ問題が起きていたが、数年前から林業を復興させようという機運が高まり、下草の刈り取りや間伐がスタートして確実に成果が現れているという。

手入れの行き届いた森

手入れの行き届いた森

塩江ツリーハウス体験場」は、ツリーハウスの製作を通して森と触れ合いながら、その役割や森林環境保全を目的として今年3月にスタートした。代表の渡邉さんは各地の森を見て回る中で、ここ塩江の環境に魅了され、現在住んでいる東京から足繁く通いながらツリーハウス体験場を運営している。ただならぬ彼の情熱に地元森林組合も材木の提供などのバックアップを引き受け、少しずつではあるが棟数を増やして行く計画だという。

宿泊させていただいた「ペンションとまと」のオーナーKAZZさんや、昨日、ホタルの養殖場を案内していただいた商工会青年部長の松岡さんの子供たちに森で遊ぶ楽しさを経験してもらおうと、朝から集合、同行取材をしていただいた岡山放送TVクルーを交えた大人数がクルマ4台に便乗して、急斜面の頂上にある“遊びの森”へ向かった。

KAZZさんが試乗するプリウスPHV

KAZZさんが試乗するプリウスPHV

ちょうど良い機会なので、プリウスPHVをKAZZさんに試乗してもらいながら、つづれ織りの林道を15分ほど上った山の頂上にある「塩江ツリーハウス体験場」に向けて出発。朝から1時間、1/3程度の充電しかしていなかったので、道程でEVモード走行からハイブリッドに切り替わったが、全く気づかないほどなめらかな走行フィールにKAZZさんも唖然。下り坂では回生ブレーキで発電された電気が、大容量のリチウムイオンバッテリーに充電されるため、さらに燃費を延ばす事ができると知って、大いに満足してもらえたようだ。

舗装路の脇にクルマを停めて山道に入るとすぐに、わくわくするようなツリーハウスが見えてきた。それを初めて目にした子供たちの輝くような笑顔がたまらない。ツリーハウスは充分な強度を確保しながらも出来るだけ樹木に負荷を与えず、簡単に撤去もできるという相反する要求を満たす優れた構造だ。さっそくハシゴを掛けてもらい子供たちがツリーハウスに登ると、大喜びではしゃぎ回り、ハウスを出たり入ったり、テラスを走り回ったりと、見ている大人達をハラハラさせる。何しろ樹上3メートルの高さの、手すりもないフラットデッキを笑顔で行ったり来たりしているのだ。

“隠れ家”に大喜びの子供たち

“隠れ家”に大喜びの子供たち

そんな子供たちの姿に、渡邉さんがやさしく微笑みながらこう言った。
「子供は本能的に危険を察知する能力が備わっていますから、落ちるような事はありませんよ。逆に大人の方がそういった能力が退化していて危ない。子供たちは、こんな風に森と遊ぶ事で、本来もっている平衡感覚などの基本的な能力が高められ、普段の生活の中でも生かされるんです。何よりこんな素敵な表情の子供たちを見られるなんてすばらしいじゃないですか。」

やさしく子供たちを見つめる渡邉さん

やさしく子供たちを見つめる渡邉さん

なるほど、少年時代に木登りをして遊ぶボク達を笑って見ていたあの頃の大人達のように、子供の能力を信じて見守る事も大切なのかも知れない。未来を担う子供たちが森への興味を持ち続け、放置林が美しい森へ変わって行くためのマストアイテムとして、全国にツリーハウスが広がる事を夢見る渡邉さんの挑戦は続く。

塩江ツリーハウス体験場渡邉さんのGazooブログ
ペンションとまと「KAZZ@」さんのGazooブログ
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GazooMura塩江のみなさん
2日間お世話になりました。ありがとうございます。

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6月 22日 2011

この川原も夜にはホタルが舞う

この川原も夜にはホタルが舞う

梅雨の晴れ間が続いている。湿度が高く少し動いただけで汗がふきだしてくる。今日はホタルの里として名高く標高の高い塩江町を訪れるので、ここ高松市内より少しは涼しい事を期待して、193号線(塩江街道)を南下、じわじわと高度を上げながら香東川を遡ること30分、道の駅しおのえに到着した。

塩江はトヨタ自動車が運営するGAZOO.comが提案する、マチで暮らすムラでしか味わえない感動体験をWebサイトでナビゲートしようという「GazooMura」に登録されていて、数名のGazooブロガーさんが塩江の魅力を発信し続けている。その中でも、まとめ役として活躍している「かやごん」さんと一緒に、ホタル養殖に取り組んでいる商工会青年部の松岡さんを訪ね、お話を伺った。

ホタル養殖に取り組む商工会青年部の松岡さん

ホタル養殖に取り組む商工会青年部の松岡さん

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「塩江のホタルは30年程前、農薬などの河川流入でほとんど見られなくなっていました。昔のようにホタルが舞う姿を復興したいと、商工会青年部が養殖場を開設・運営し、少しずつ数を増やしてきました。できるだけ自然と同じような環境で育つように、小川の流れをレイアウトしたり、周囲の整備をしています。おかげさまで現在では自然繁殖による個体数も増加し“ホタルの里塩江”はずいぶん知られるようになりました。」

今年も開催された「塩江ホタルまつり」には、たくさんの見物客が訪れたという。最盛期を過ぎたとはいえ、まだまだたくさんのホタルが飛んでいるとの事。今夜は、Gazooブロガー「KAZZさん」がオーナーの「ペンションとまと」に宿泊するが、その周辺にも自慢のホタルが見られる場所があるというので、夜には見物に繰り出そうと思う。

「ペンションとまと」の若女将さん

「ペンションとまと」の若女将さん

「ペンションとまと」は1階が広々とした暖炉のあるリビング。2階は客室になっていて部屋番号の変わりに野菜の名前付く。我々の部屋は「とまと」と「きゃべつ」。平均年齢が50歳を越える我々スタッフには少々照れくさいのだが、ゆったり入れる温泉や美味しい料理の数々を堪能しながらゆったりと過ごしたいという方にもオススメできる宿だ。

自然の味を生かした創作料理に舌鼓を打ったあと、散歩がてら川原を訪れると美しく光るホタルの舞いを見る事ができた。点滅を同調させながら集まっては消えるを繰り返し、川のあちこちでゆらゆらと光る様を見ていると、その果敢ない存在を守るのも無くすのも、人間の行動次第だと痛感させられる。養殖でホタルを増やす事に賛否はあるだろうが、ホタルの光をいつまでも見られる環境は残して欲しいと思った。

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6月 21日 2011

「夕焼けの翌日は晴れる」昔から伝わる天気を知る言葉通り、朝から気持ちのよい青空が広がった。今日は「エコキッズ」開催日。青空の下、校庭を走り回る元気いっぱいの子供たちに会えるので、ことさら嬉しく感じる。高松市の中心街に隣接したベッドタウン木太地区にある「高松市立木太小学校」を訪れた。宿泊先から「ことでん」の愛称で知られる琴平電気鉄道「林道駅」を目指して走ると、踏切の遮断機が降りてツートンカラーがかわいらしい車両の「ことでん」が通り過ぎた。幹線道路を外れ住宅地のほそい路地を抜けると、子供たちの黄色い声が聞こえてきた。

驚く程キレイに整列していた

驚く程キレイに整列していた

会場の体育館に入ってきた子供たちは“きりりっ”と引き締まった表情で脇目も振らずに整列し、碁盤の目のように正確に並び、先生の合図で前方からきれいなウエーブを描いて静かに座り終えた。普段からきちんとした指導がされているのが感じられた。静かに始まった「エコキッズ」だったが、アンペルマン飛行船の登場で子供たちの表情は一変、大歓声と笑顔のオンパレード。楽しみながら、身近な事から始めるエコの大切さを知ってもらえたようだ。

プリウスPHVに乗って“ピース”

プリウスPHVに乗って“ピース”

「エコキッズ」が終わり、校門そばに停めて充電中のプリウスPHVを見つけた子供たちが駆け寄ってきた。家庭のコンセントから充電できると聞いて驚く子供たちだが、君たちが運転できるようになる10年先には、もっと進歩したクルマが走り回っているだろう。10年前に新しい技術「ハイブリッドカー」として誕生したプリウスはどんな進化を遂げているのか、大いに楽しみだ。

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