10月 23日 2011

物流に伴うコストや環境に与える影響を抑える“地産地消”という言葉がクローズアップされて久しい。その多くは食材を指す事が多いが、林業の原点もまた、この“地産地消”に他ならない。集落と自然林との間に木を植え、何世代にも渡って間伐や枝打ちなどの人手を掛けて大木へと成長した所で切り出し、また木を植える。つまり、樹齢100年の木を使って建てた家は100年住み続けるのがセオリーで、そうした事を輪廻のように繰り返して、自然との折り合いをつけてきたのだ。しかし、交通機関の発達とともに安価な輸入材が出まわるようになると、不要になった森林は見放され、荒廃した放置林が日本中に広がってしまった。

山仕事に精を出す金山町の方々

山仕事に精を出す金山町の方々

杉の銘木としてその名が知られる秋田杉の名産地との県境、山形県金山町は自然豊かな山間にある林業の町だ。樹齢80年以上の杉だけが冠する事のできるブランド銘木「金山杉」の産地として知られ、厳しい冬の寒さとフェーン現象がもたらす夏の暑さという独特の気候風土がもたらす杉巨木は、厳冬期に伐採する「寒切り」や夏場の「葉枯らし」など先人の知恵で高品位な材木に仕上げられ、狂いの少ない建材として古くから高値で取引されて来た。手入れの行き届いた杉林が取り囲む町の中心部には、黒い切妻屋根と白い漆喰壁、杉板を貼り巡らせた袴のコントラストが美しく、金山杉を贅沢に使った「金山型住宅」の町並みが連なる。木製の歩道を備えた「きごころ橋」、大正期の旧郵便局を改築した「交流サロンぽすと」などの見所も多く、道路脇には雪深い地方ならではの「融雪溝」という水路が巡らされて、しっとりとした風情に溢れている。全国区で実施されている景観、まちづくりに関するコンテストでも多数の受賞歴を誇る素晴らしい「地産地消」の町並みを一目見ようと、県外からの観光客も年々増え続けているという。

金山造りの見事な佇まいが目を惹く(家づくり工房カネカ)

金山造りの見事な佇まいが目を惹く(家づくり工房カネカ)

しかし、現在の美しい町並みは、平穏に継承されて来たものではない。景観にこだわった町づくりは、昭和38年、当時の町長岸英一氏が提唱した「全町美化運動」に始まる。大量生産・大量消費の時代に拍車が掛かる1960年頃を境に、他の地域同様、金山町の林業にも陰りが見え始め、100年単位で受け継がれて来た「金山杉」の伝統が失われようとしていた。この危機を乗り越えようと立ち上がった岸町長は、アメリカ、カナダ、イギリス、フランス、スイス、ドイツ、スウェーデンと7ヶ国を訪問、森林・行政・教育・社会事情の視察を行い、各国の美しい街並みや自然との付き合い方に深い感銘を受けた事に端を発する。1983年に「街並み(景観)づくり100年運動」がスタートすると、地域の気候風土にあった住宅景観の創造を進め、在来工法を中心に切り妻屋根に木組みの柱と白壁作りといった「金山型住宅」の様式を体系化し、木造住宅の普及や大工技術の向上を目指した「金山町住宅建築コンクール」を実施するなど、25年余の歳月を掛けて「金山杉」の“地産地消”に町全体で奔走した結果、林業の復興とともに素晴らしい景観として結実したのである。

金山川に掛かる「きごころ橋」

金山川に掛かる「きごころ橋」

「金山杉」の巨木群が保存されている「大美輪の大杉」を訪ねようと「きごころ橋」のたもとにある酒屋さんにルートを聞いた。笑顔が素敵な「リカーショップオノデラ」のお母さんにすっかり魅了され、世間話に花を咲かせているうちにプリウスPHVの話題となり、折角なので充電をお願いする事に。道順と一緒に、電気と元気をいただいた。
お母さん、ありがとうございました。おかげ様で「大美輪の大杉」を見る事ができました。

お母さんに“プラグイン”で電気をいただいた

お母さんに“プラグイン”で電気をいただいた

杉巨木の森へ一歩踏み入ると、そこは静寂な別世界。樹齢250年を越えても尚、真っ直ぐ天を目指す堂々とした姿に圧倒され、ただただ見上げるばかり。何しろここに居るスタッフ4人の年齢を足しても遙かに及ばない“目上”の存在なのだから。根元の直径は2m程と巨木としては細いと感じるかもしれないが、寒さが厳しいここ金山町では一年に成長できる伸び代は極僅かで、それが高品質な「金山杉」の特徴でもある。森の奥まで進んで深呼吸を繰り返ながら、人間が十数代にも渡って受け継いできた“遺伝子リレー”を、たった一代で軽々と越える巨木たちの神秘的な生命力と、樹々を支えるために山仕事を続けてきた金山町のご先祖たちの事を思うと、心の中を簡単に見透かされるような“懺悔”している気持ちになるから不思議だ。この先も脈々と継承されであろう「金山杉」の伝統と、町の景観に敬意を感じながら、美しい金山町を後にした。

樹齢250年余の金山杉の巨木

樹齢250年余の金山杉の巨木

自然豊かな山形県最上郡金山町フォトスケッチ

Music by DEPAPEPE

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10月 22日 2011

2005年に周辺の8市町村と新設合併されて大仙市とその名を変えたが、大曲といえば日本一の花火大会として100年余の歴史を誇る「大曲全国花火競技大会」がつとに有名で、会場となる街の西側を流れる雄物川の河川敷運動公園には、毎年70万人もの見物客が大挙するという。今日の訪問先「大仙市立大曲小学校」は、花火大会会場のすぐ眼と鼻の先にある創立135年の伝統校。校門を入ると鮮やかな黄色に色づいた銀杏並木、花壇に植えこまれた秋の花々のカラフルな色彩が目に飛び込んで来た。

広々とした敷地に建つ大曲小学校舎

広々とした敷地に建つ大曲小学校舎

正面玄関前にプリウスPHVを停めると、授業中なので子供たちの姿は無かったものの、教務部の菅原先生が笑顔で出迎えてくれた。さっそく充電をお願いして“カチッ”とプラグインしていただき訪問イベントがスタートした。日本グッドイヤーが社会貢献活動の一環として行ってきた「飛行船エコ教室」も最後の開催とあって、準備にあたるスタッフ一同いつにも増して気合いが入っている。地元テレビ局3社が取材に駆けつけ、TVカメラがずらりと並んだ体育館に、先生に引率されながら子供たちが続々と入場し800名の児童が勢揃いすると、いよいよ飛行船の登場。大歓声が沸き上がる中をスイスイと飛び回る姿に、はじけるような笑顔がこぼれる。環境負荷の少ない飛行船を通じて身近なエコについて考える話にも熱心に耳を傾ける子供たちの瞳はキラキラと輝いていた。

飛行船グッドイヤー号に大歓声が上がる

飛行船グッドイヤー号に大歓声が上がる

「飛行船エコ教室」が終わり休み時間を告げるチャイムが鳴ると、子供たちが一斉に校庭へ飛び出してきた。登校口に停まっているプリウスPHVを見つけ、続々と集まる子供たちからは、“どこから来たの?” “おじさん幾つですか?” に始まり、“プリウスPHVカッコいい!” “大人になったらこんなクルマに乗りた〜い”と、眼を輝かせながら口々に話しかけて来る。これまでに訪問した学校の中でも、これほど心を開いて接してくれる子供たちは初めてだ。

充電できるクルマにビックリ!

充電できるクルマにビックリ!

周辺に自然豊かな山河もあり、首都圏などでは考えられないほど広大なグランドを備えたすばらしい環境の大曲小学校が教育目標に掲げる「こころ ひらいて ゆめを そだてる」の言葉通り、明るく開放的で夢と希望に満ちた子供たちの笑顔に元気をもらい、次の訪問地へ向かった。

子供たちとの楽しいひととき

子供たちとの楽しいひととき

グッドイヤー「飛行船教室」@秋田県大仙市立大曲小学校

Music by DEPAPEPE

「飛行船エコ教室」後記

日本グッドイヤーが社会貢献活動の一貫として全国の小学校で開催してきた「飛行船エコ教室」に、2年間に渡りプリウスPHVで参加させていただきました。学校関係者はじめ、たくさんの方々のご支援はもとより、子供たちの底抜けに明るい笑顔に、その澄んだ輝く瞳に支えられて、大盛況のうちに最終回を迎える事ができました。

大人同士の付き合いでは、なかなか天真爛漫に笑顔を交わすのが難しい事が多いのですが、子供たちと触れ合う時、こちらが無表情なら子供も無表情、笑って接すると精一杯の笑顔で応えてくれるものです。今回の大曲小学校を含めた日本中のたくさんの子供たちと触れ合って、そんな事を強く感じました。東日本大震災直後に繰り返し流れたテレビCMに、金子みすゞさんの「こだまでしょうか」という詩がありましたが、没後80年以上経ってもまったく古びず、心にすぅっと染みこんできます。蛇足とは思いますが、文末に掲載させていただきます。

こだまでしょうか

「遊ぼう」っていうと「遊ぼう」っていう。

「ばか」っていうと「ばか」っていう。

「もう遊ばない」っていうと「遊ばない」っていう。

そうして、あとでさみしくなって、

「ごめんね」っていうと「ごめんね」っていう。

こだまでしょうか、

いいえ、誰でも。

明日は杉と町並みについてのレポートです。
お楽しみに。

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10月 21日 2011

朝からとびっきりの晴天に恵まれた「むつ」をスタート。穏やかに輝く陸奥湾を眺めながら「はまなすライン」を南下し、野辺地で国道4号線に乗り継いで青森市へ到着した。晴天の青空と見紛うばかりの鮮やかなブルーの外観が目を引く「ネッツトヨタ青森」のエントランスをくぐると、スタッフ総出のにこやかな笑顔で出迎えてくれた。

ネッツトヨタ青森の元気いっぱい三人娘さん

ネッツトヨタ青森の元気いっぱい三人娘さん

ショールームの入口にプリウスPHVを停めると、集まっていてくれたスタッフ中でも、ひときわ元気いっぱいの女性3人を、横田BOSSが「三人娘」と命名。せっかくなので姦しい彼女たちにプラグインしてもらう事にした。地元テレビ局3社と新聞社のカメラがずらりと並び、全員の注目が集まる充電プラグを3人一緒に持ちながら“カチッ”とプラグインすると、集まった皆さんからも歓声が上がり、ネッツトヨタ青森訪問は乗っけから大いに盛り上がった。

被災地へ向けた温かいメッセージをいただいた

被災地へ向けた温かいメッセージをいただいた

被災地へ向けた応援フラッグを広げ、青森の方々からもメッセージを書いていただいた。心温まる言葉を載せたフラッグは、ここでもたくさんの思いをプラスして、さらに重みを増す事ができた。短時間だったがフラッグにメッセージを書いていただいている間に充電した電気を使って試乗会がおこなわれる事になった。これまでにも青森県下販売店各社持ち回りでプリウスPHVのデモカーが来店し、試乗の機会はあったようだが、まだ乗っていないという3組の方々に交代で試乗していただいた。“すご〜い、静か!” “不思議な感じ!”と、ここでも女性スタッフの元気な反応が印象的だった。

短い時間でしたが、明るい対応にスタッフ一同感謝です。
ネッツトヨタ青森の皆さん ありがとうございました。

トヨタ部品東北共販青森営業所へ到着

トヨタ部品東北共販青森営業所へ到着

続いて向かった先は青森空港に向かって10分程走った「トヨタ部品東北共販 青森営業所」。青森、岩手、秋田の3県をテリトリーにトヨタ車の純正部品を供給している唯一の会社としてトヨタユーザーを支える、まさに“縁の下の力持ち”だ。到着直後から、広い敷地内の倉庫には引切り無しに配送トラックが出入りして、部品やオイルなどが運び込まれていた。正面玄関前の駐車スペースにはアース付き100Vコンセントが設置されていて、充電ケーブルの取り回しもスムーズに完了。さっそく“プラグイン”で充電させていただき、10kmほどEV走行できるようになった所で試乗してもらう事にした。スタッフの皆さんからの質問はプリウスPHVの細かな部分にまで及び、全力でサポートしたいという気持ちが表れていて清々しい。

試乗へ向かう所長さん

試乗へ向かう所長さん

トヨタ部品東北共販青森営業所の皆さん、楽しい時間をありがとうございました。

駆け足で通り過ぎるような訪問だったが、青森の方々の明るく実直な人柄に、短い夏の熱気の中で“ハネ”る大群衆とその掛け声で知られる、東北三大祭り“ねぶた”の心意気を感じながら、陽が傾きかけた青森を後にして次の訪問地、秋田県大曲を目指した。

ドライブムービー(むつ市〜ネッツトヨタ青森〜トヨタ部品東北共販〜秋田)

Music by DEPAPEPE

明日は大曲小学校で開催される「グッドイヤー飛行船教室」を
レポートする予定です。お楽しみに。

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