通常のうるち米に混じって褐色の赤米(古代米)を近隣の小学生が栽培している。

稲作のルーツを知る「登呂遺跡」

稲作のルーツを探りにもう一度登呂遺跡を訪ねよう。
稲作のルーツを探りにもう一度登呂遺跡を訪ねよう。

昭和18年。戦時中で航空隊の基地があり、特産の桐を使ったプロペラ工場が稼働していた静岡に、新たな軍需工場が建設されようとしていた。基礎工事の途中、湿地だったこの場所から木製の船や器などが多数見つかり、1世紀頃の遺跡だと分かった。

今日は浜松に滞在していたエコミッションが再び深い山中へと向かう移動日だ。

紀伊半島をスタートして以来、GazooMuraしみず「蘭島(あらぎじま)」や、「四谷千枚田」などの水田を見て回ったが、稲作のルーツと言えば、あの有名な登呂遺跡。せっかく静岡を経由するのだから立ち寄って見ることにした。

稲作と考古学のルーツ、登呂遺跡に立ち寄って見た。
稲作と考古学のルーツ、登呂遺跡に立ち寄って見た。

あまりにもメジャー過ぎる場所だが、さすがは考古学会発祥の地だけあって、復元された竪穴式住居や高床式倉庫などが建ち並ぶ姿は圧巻。一見の価値がある。また、張り巡らされた水路には、現在の水田でも見られるような無駄無く利水する仕掛けが見られ、ちょっと立ち寄るつもりが長居をしてしまった。

現在の棚田にも登呂遺跡と共通する利水方法が伺える。
現在の棚田にも登呂遺跡と共通する利水方法が伺える。
水田跡には効率よく水を取り込む水路も発掘・復元されている。
水田跡には効率よく水を取り込む水路も発掘・復元されている。
通常のうるち米に混じって褐色の赤米(古代米)を近隣の小学生が栽培している。
通常のうるち米に混じって褐色の赤米(古代米)を近隣の小学生が栽培している。
教科書などでお馴染みの縦穴式住居は、土器や木製品に描かれた文様を頼りに復元されたという。
教科書などでお馴染みの縦穴式住居は、土器や木製品に描かれた文様を頼りに復元されたという。
米や栗などの食料を貯蔵した高床式倉庫
米や栗などの食料を貯蔵した高床式倉庫
見慣れぬ装束の来訪者が登呂遺跡を訪れていた。
見慣れぬ装束の来訪者が登呂遺跡を訪れていた。

高床式倉庫が並ぶ一画でケラケラと楽しそうな笑い声が聞こえる。見慣れぬ装束の女性達が、これまた見慣れぬ古代衣装をまとった男性と、何やら談笑している。側へ近寄って話を聞くと、彼女たちはインドネシアからのお客さんで、男性は「火起こし体験」をレクチャーしているボランティアの方だった。同席をお願いすると笑顔で応えてくれ、おやじ達の社会科見学に花を添えてくれた。

インドネシアから来たという女性達と「火起こし」体験。古代衣装のボランティアが教えてくれる。
インドネシアから来たという女性達と「火起こし」体験。古代衣装のボランティアが教えてくれる。
ラジコンヘリによる空撮が行われていた。学術調査だというがマシントラブルで難航中?
ラジコンヘリによる空撮が行われていた。学術調査だというがマシントラブルで難航中?
インドネシアからの客人と記念撮影
インドネシアからの客人と記念撮影

思いもよらす有意義な寄り道を満喫したエコミッションは登呂遺跡を後に、“越すに越されぬ”大井川を遡る。
今日から南アルプスを望む山中でのキャンプ生活が始まる。

稲作のルーツ「登呂遺跡」