2011年 10月



10月 21日 2011

朝からとびっきりの晴天に恵まれた「むつ」をスタート。穏やかに輝く陸奥湾を眺めながら「はまなすライン」を南下し、野辺地で国道4号線に乗り継いで青森市へ到着した。晴天の青空と見紛うばかりの鮮やかなブルーの外観が目を引く「ネッツトヨタ青森」のエントランスをくぐると、スタッフ総出のにこやかな笑顔で出迎えてくれた。

ネッツトヨタ青森の元気いっぱい三人娘さん

ネッツトヨタ青森の元気いっぱい三人娘さん

ショールームの入口にプリウスPHVを停めると、集まっていてくれたスタッフ中でも、ひときわ元気いっぱいの女性3人を、横田BOSSが「三人娘」と命名。せっかくなので姦しい彼女たちにプラグインしてもらう事にした。地元テレビ局3社と新聞社のカメラがずらりと並び、全員の注目が集まる充電プラグを3人一緒に持ちながら“カチッ”とプラグインすると、集まった皆さんからも歓声が上がり、ネッツトヨタ青森訪問は乗っけから大いに盛り上がった。

被災地へ向けた温かいメッセージをいただいた

被災地へ向けた温かいメッセージをいただいた

被災地へ向けた応援フラッグを広げ、青森の方々からもメッセージを書いていただいた。心温まる言葉を載せたフラッグは、ここでもたくさんの思いをプラスして、さらに重みを増す事ができた。短時間だったがフラッグにメッセージを書いていただいている間に充電した電気を使って試乗会がおこなわれる事になった。これまでにも青森県下販売店各社持ち回りでプリウスPHVのデモカーが来店し、試乗の機会はあったようだが、まだ乗っていないという3組の方々に交代で試乗していただいた。“すご〜い、静か!” “不思議な感じ!”と、ここでも女性スタッフの元気な反応が印象的だった。

短い時間でしたが、明るい対応にスタッフ一同感謝です。
ネッツトヨタ青森の皆さん ありがとうございました。

トヨタ部品東北共販青森営業所へ到着

トヨタ部品東北共販青森営業所へ到着

続いて向かった先は青森空港に向かって10分程走った「トヨタ部品東北共販 青森営業所」。青森、岩手、秋田の3県をテリトリーにトヨタ車の純正部品を供給している唯一の会社としてトヨタユーザーを支える、まさに“縁の下の力持ち”だ。到着直後から、広い敷地内の倉庫には引切り無しに配送トラックが出入りして、部品やオイルなどが運び込まれていた。正面玄関前の駐車スペースにはアース付き100Vコンセントが設置されていて、充電ケーブルの取り回しもスムーズに完了。さっそく“プラグイン”で充電させていただき、10kmほどEV走行できるようになった所で試乗してもらう事にした。スタッフの皆さんからの質問はプリウスPHVの細かな部分にまで及び、全力でサポートしたいという気持ちが表れていて清々しい。

試乗へ向かう所長さん

試乗へ向かう所長さん

トヨタ部品東北共販青森営業所の皆さん、楽しい時間をありがとうございました。

駆け足で通り過ぎるような訪問だったが、青森の方々の明るく実直な人柄に、短い夏の熱気の中で“ハネ”る大群衆とその掛け声で知られる、東北三大祭り“ねぶた”の心意気を感じながら、陽が傾きかけた青森を後にして次の訪問地、秋田県大曲を目指した。

ドライブムービー(むつ市〜ネッツトヨタ青森〜トヨタ部品東北共販〜秋田)

Music by DEPAPEPE

明日は大曲小学校で開催される「グッドイヤー飛行船教室」を
レポートする予定です。お楽しみに。


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10月 20日 2011

六ケ所村周辺は海岸線と平行に小高い丘が連なる独特な地形で、丘の頂上付近に建てられた風車が海岸線と平行して幾重にも並んでいる。海へ向って進むと、晴れ渡った青空をバックに白い風車がくるくると回転しながら地平線をせり上がってくる迫力の光景を見る事ができる。風車を始めとするエネルギー関連施設が建ち並ぶ「環境・エネルギー産業創造特区」の中心部を離れ、村の北側に新しく造成された住宅地の一角にある、次世代のスマートグリッドを取り入れた実証実験が行われているスマートホームを訪ねる事にした。

スマートホーム実験棟に2台のプリウスPHVが顔合わせ

スマートホーム実験棟に2台のプリウスPHVが顔合わせ

ここでおさらい「スマートグリッドとは?」
「賢い(スマート)電力網(グリッド)」という言葉が示す通り、発電所から一方的に送電されるだけだった従来の電力網を進化させ、電力会社と消費する側の機器、小規模発電設備等の情報を総合的に双方向で共有し、分散型管理によって効率化を図るという次世代電力網技術。PHV(プラグインハイブリッド車)やEV(電気自動車)、家庭用太陽光発電などの普及が見え始めたことから、その必要性が論じられるようになり、省エネルギー・低炭素化社会を実現するための手段として各地で実証実験が行わてれいる。

スマートグリッドの仕組みを相関図で解説

スマートグリッドの仕組みを相関図で解説

エコミッション2011@ジャパンでは、これまでにも八幡製鉄所からの排出水素による燃料電池を活用した「北九州市環境ミュージアムエコハウス」やスマートホームの先駆け「トヨタ夢の住宅PAPI」などを訪問してきたが、ここ六ヶ所村にある実証実験では2棟の実験棟(協力他社含め現在6棟)が既存の電力インフラに一切頼る事なく、屋根に設置した太陽光発電パネルや小型風車による自前の電気をベースに、自然エネルギーで発電・備蓄している電力供給施設とを、新たに敷設した送電線と情報通信用光ファイバーによる自営線で直結し、エネルギー消費を統合的にコントロールするトヨタ独自のシステム「トヨタ スマートセンター」での本格的な実証実験が行われているのだ。

スマートホームを案内してくれた皆さん

スマートホームを案内してくれた皆さん

村の北側にある中学校付近という情報だけで周辺を探すこと30分、ようやくガレージに停車しているプリウスPHVを見つけて、この家が実験棟だと分かった。それほどまでに外観上は一般の住宅と区別が付かず、街に溶け込んでいる印象だ。玄関先で待っていてくれたのはトヨタ自動車の森さんはじめ、トヨタホームの方々。実験に使っているものと同型のエコミッション号で訪ねた我々を歓迎してくれた。

挨拶を交わした後、ガレージのプリウスPHVとエコミッション号を入れ替えて単相200Vを供給する自立型充電プラグを“プラグイン”している間、実験棟を見せていただくことにした。外観と同様に家の中も特に変わった様子は見受けられない普通の新築住宅といった印象だが、その裏では「HEMS(Home Energy Management System)」が各部屋の電力消費量やガレージで充電しているプリウスPHVへの供給量、屋根に設置された太陽光パネルの発電量など、電気に関わる全ての事象を捉えディスプレイに表示していた。同様の表示がテレビやパソコンにも表示可能で、“見える”がもたらす省エネ効果が期待されている。

常に最適な使用状況を制御・表示するHEMSモニター

常に最適な使用状況を制御・表示するHEMSモニター

屋外へ出ると、ガレージには燃料電池ユニットが、そして家の側壁面には送電メーターが設置されている。これは太陽光パネルで発電された電気が使用量を上回った場合、電力供給施設へ送電する際にカウントされるもので、他にもヒートポンプ給湯機「エコキュート」などが並ぶ。屋根に設置された太陽光パネルの発電量は5.5kw/hと一般家庭用としてはハイスペックで、この発電だけでプリウスPHVに充電可能というポテンシャルを持っており、次世代を担うハイテク装備満載な住環境を備えていた。この実験棟には社員さんが実際に暮らしており、さまざまなシチュエーションでの問題点などをレポートし、システムのブラッシュアップに努めているという。近い将来、こうした実験棟のデータが生かされたスマートホームが建ち並ぶ住宅街が、日本中で見られる日がやって来るだろう。

スマートホームを案内していただいたトヨタ自動車の森さん、お集まりいただいた皆さん。ありがとうございました。
理想のスマートグリッド実現に向けて頑張ってくさい。


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10月 19日 2011

真冬のような寒さの曇天だった昨日とは一転、下北半島の2日目は快晴の朝を向かえた。朝はさすがに冷え込んだものの、陽が高くなるに連れてみるみる気温も上がり、季節がひと月ほど逆戻りしたようなポカポカ陽気の一日となった。

むつ市から国道338号線を南下して海沿いのルートを進むと、松林の隙間から垣間見える太平洋の表情も穏やかで、強い日差しが浅場の海底まで届き、澄んだ緑色に輝く美しい表情を覗かせる。幅員も狭く、入り込んだ海岸線をなぞるようにくねりながら住宅地を抜けるルートは、景色を楽しむだけなら趣のある良い道なのだが、エネルギー産業の重要な拠点を貫く主要国道にしては役不足で、なかなかペースが上がらない。、随所で拡張工事やトンネルの建設が行われていたので、完成すれば大幅な移動時間の短縮が見込まれるだろう。

向かった先は、構造改革特区制度を活用して青森県と国が推進する「環境・エネルギー産業創造特区」の中心地、六ケ所村だ。環境・エネルギー分野で、他の地域に先駆けて思い切った規制緩和を実現し、先駆的なプロジェクトの導入を進める巨大実験場とも言えるこの地域一帯には、分散型電源普及のための実証研究や、送電・通信インフラ設備の共同利用、風力・太陽光・バイオマス発電など、未来を担う新エネルギー開発の先端技術が集結している。

全体で64基もの風車が並ぶ

全体で64基もの風車が並ぶ

六ケ所村が近づくと風車群が見えてくる。関連各社が凌ぎを削る風車は合計64基もあり、この地域のどの場所からも風を受けて力強く回転する巨大なローターを見る事ができる。風車や太陽光などの自然エネルギーの弱点は、天候に左右されやすく安定供給が難しい事だが、これを解決しようという実験施設を訪ねて見た。日本風車開発グループのイオスエンジニアリング&サービスさんは、風車や太陽光パネルで発電した電気を「NASバッテリー」に蓄電し安定供給を図っている。輸出用コンテナほどの大きな白い箱が並ぶ施設を外から見ていると、作業中の方が声を掛けてくれた。

敷地内に入る事を許可してくれた

敷地内に入る事を許可してくれた

エコミッションの主旨を簡単に説明しながら、断られるのを覚悟で充電をお願いしてみると、六ケ所村事業所副所長 森山さんの取り計らいで、すぐさまOKしてもらい施設内へ入ることができた。さっそく自然エネルギーで発電した電気をNASバッテリーに蓄え、単相200Vで出力したケーブルからプリウスPHVに充電させていただく。森山さんの話では、東日本大震災当時この周辺一帯も停電して一部被害も報告されたが、ここには電気がたっぷりと蓄えているので、様々な支援を行うことができ、各地のスマートグリッド実証実験ハウスでも、炊飯器による炊き出しを行ったというので。万が一の災害にも有効な自然エネルギー備蓄設備の可能性を感じるエピソードを伺う事ができた。思いがけない好機会に感謝しながらイオスエンジニアリング&サービスさんを後にした。

六ヶ所村事業所の副所長の森下さん

六ヶ所村事業所の副所長の森下さん

森下さんはじめ、イオスエンジニアリング&サービスの皆さん。
突然の訪問にも快く応じていただきありがとうございました。

イオスエンジニアリング&サービスさんに充電をお願いした

イオスエンジニアリング&サービスさんに充電をお願いした

ドライブムービー(むつ市〜六ケ所村〜横浜町)

Music by DEPAPEPE

明日は六ケ所村で行われているスマートグリッドハウスの
実証実験をレポートする予定です。
お楽しみに。


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