おゆうぎ場に集まった200名の園児たちは、ずらりと並んだ見慣れない太鼓「ジェンベ」を抱え “何がはじまるんだろう?”とザワついていた。やがて、カラフルなアフリカの民族衣装でステージに上がってきたイノックさんが打ち鳴らすジェンベの一打に“きょとん”として静かになった。「Everybody! タイコタタイテー」と一緒にジェンベを叩くように促しながらリズムを刻むと、園児たちがそれに続く。はじめはバラバラにぼやけていた音の輪郭が、あっという間に一本のリズムにまとまり、強い一体感に包まれながら「ドラムカフェ」がスタートした。ドラミングとは頭で考えるものではなく、本能に訴えかけるパワーがあるのだろう、次第に複雑になっていくリズムにも、子供たちはあっという間に同調して行く。時にはアドリブを交えながらジェンベを叩く子供たちと一緒にリズムを刻んでいると、おじいさんの年齢に達したボクでも、心地よい一体感を味わうことができるから不思議だ。
アフリカの伝統的な打楽器「ジェンベ」を大人数で叩く「ドラムカフェ」は、南アフリカでアパルトヘイト(人種隔離政策)が撤廃された1995年、人種の壁を越えてお互いの理解を深めるためにスタートした。誰もが手軽に演奏できる打楽器を使い、全員でリズムを合わせる一体感が何とも心地良く、コミュニケーションを円滑にすると同時に、孤独感やストレスといった現代社会の問題を解消できるツールとして注目を浴びているという。その効果は子供たちのはじけるような笑顔を見れば一目瞭然。今回特別に参加したエコミッションスタッフも、心を揺さぶられる素敵な時間を共有し、大いに楽しませていただいた。
仙台東インターを降りて5分程走った住宅街にある学校法人旗立学園「やまびこ幼稚園」は、園児数200名と規模はそう大きくないものの、明るい黄色基調のゆったりした園舎と、大きなスロープを利用した滑り台などの遊び場がある広大な園庭で「げんきよく・たのしく・なかよく」をモットーに調和のある人間の土台づくりを丁寧に行なっていると評判の幼稚園だ。早朝から素晴らしい晴天に恵まれる中、音楽を通じて子供たちに楽しい時間を届けようとやってきた「ドラムカフェ」の公演中に充電させていただこうと、園庭にプリウスPHVを停めて“プラグイン”。熱気溢れる「ドラムカフェ」が終わった途端に園舎から飛び出してきた園児たちの“おしくらまんじゅう”に囲まれた。南アフリカから来日している底抜けに陽気なイノックさんとコリーさんもこれに加わり、次世代のクルマに目を丸くして「Wow!!」を繰り返していた。どうやら年齢も国境も越えてプリウスPHVを気にってもらえたようだ。
仙台に住む星山さんは、南アフリカを訪問した際に「ドラムカフェ」に魅了され、同日本法人「ドラムカフェジャパン」を立ち上げた。南アフリカから演奏者を招いて全国のイベント会場や企業内の連帯感を高めるチームワークビルディング研修などで体験会を開催し、ドラミングの持つパワーを日本に広めてきた。3.11東日本大震災以降は東北各地の被災地をめぐって「ドラムカフェ」を100ヶ所以上で開催し、被災された方々に元気を届けるために尽力してきた。誰もが簡単に演奏できる「ジェンベ」を叩くことで、それぞれの立場を越えた「共有の場」を創造し、仲間意識や絆を生み出すパワーを秘めた「ドラムカフェ」の活動をこれからも注目して行きたい。
やまびこ幼稚園の子供たち、園長先生はじめ先生方。
ドラムカフェの皆さん、楽しい時間をありがとうございました。
心ひとつに「ドラムカフェ@やまびこ幼稚園」
Music by DEPAPEPE
明日は仙台在住のTeam ACPメンバーが体験した
231日のドキュメントをレポートする予定です。
お楽しみに。
カテゴリー: ECO-MISSION2011,東北
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