宗谷岬と網走を結ぶ「オホーツクライン」を南下し、夕陽に赤く染まりゆく雄大な景色を堪能しながら、今夜の宿泊先「枝幸町」を目指した。すでに晩秋の面持ちで、いかにも寒々とした浜には、遡上間近の鮭を狙って集まった太公望たちが無数の竿を振り出している。クルマを降りてしばらく眺めていると、半年ぶりに感じるキリリと引き締まった冷気に包まれ、北の最果てに冬が忍び寄る匂いを感じた。
海を見下ろすポロヌプリ山から吹き降ろす強風をステアリングに感じながら、10kmの長い直線区間を走り終えて右へカーブを切ったところで、“あっ!(あっ)” ナビシートの小川さんと声がシンクロした。キタキツネだ!
ふさふさした大きな尾っぽや、黒目がちのあどけない表情をはっきりと認識した次の瞬間、海岸側のガードレールの下へ潜り込んで消えた。一瞬の出来事だったが、もしもキタキツネが逃げ遅れたらと考えると冷や汗が出た。
札幌をスタートした後、新千歳空港経由で道央自動車を北上してオホーツク沿岸に来る道程には、キタキツネはもちろん、エゾジカ、ヒグマ、タヌキなど、北海道ならではのユニークな絵柄の「動物注意標識」が無数に立っている。初めて見かけたが「動物注意」の電飾サインをルーフに乗せたNEXCOの四駆をパスしたので、冬を前に食べ物を求めて出没する動物達と、頻繁に接触事故が起こる時期なのかも知れない。特に今年は森の食料が乏しく、札幌などの都市部にも頻繁にヒグマが出没しているというニュース報道があったばかり。道路状況などを表示する電光掲示板でも盛んに注意を呼びかけているので、動物相手の交通事故が多発しているのは容易に想像がつく。
何しろ広い北の大地では、となり町まで行く間に民家が途切れ、森林地帯を通過する事が多いため、本州とは比べものにならない程の高確率で動物に遭遇する。エゾジカやヒグマにヒットしてクルマが大破する話を良くに耳にするが、小動物が相手の場合、それを避けようとして反対車線に飛び出したり、ガードレールに衝突して大事故に繋がるケースが多いという。ともあれ動物標識を見かけたら、万が一の遭遇に備えて対向車や周囲の状況を把握してスピードは控えめに。特に夜間は動物達が活発に活動して道路を横断するので注意が必要だ。のんびりドライブで動物に遭える事を楽しむぐらいの余裕を持って走るのが北海道スタイルなのかも知れない。明日からの数日間は山間部へ出向く予定なので、十分に気をつけて旅を続けたいと思う。
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昨日のレポートで予告した通り、新千歳空港でカメラマンの茅原田隊員とHP担当の山口隊員のメンバー交代が完了し、4人体制の布陣で残りの日程に望む事になった。晩秋の北海道、紅葉の盛りを迎える東北の“今”を巡る旅は始まったばかりだ。
明日は市民の手で自然エネルギーを運営する浜頓別町の取り組みについてレポートする予定です。ご期待ください。
カテゴリー: ECO-MISSION2011,北海道
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