真冬のような寒さの曇天だった昨日とは一転、下北半島の2日目は快晴の朝を向かえた。朝はさすがに冷え込んだものの、陽が高くなるに連れてみるみる気温も上がり、季節がひと月ほど逆戻りしたようなポカポカ陽気の一日となった。
むつ市から国道338号線を南下して海沿いのルートを進むと、松林の隙間から垣間見える太平洋の表情も穏やかで、強い日差しが浅場の海底まで届き、澄んだ緑色に輝く美しい表情を覗かせる。幅員も狭く、入り込んだ海岸線をなぞるようにくねりながら住宅地を抜けるルートは、景色を楽しむだけなら趣のある良い道なのだが、エネルギー産業の重要な拠点を貫く主要国道にしては役不足で、なかなかペースが上がらない。、随所で拡張工事やトンネルの建設が行われていたので、完成すれば大幅な移動時間の短縮が見込まれるだろう。
向かった先は、構造改革特区制度を活用して青森県と国が推進する「環境・エネルギー産業創造特区」の中心地、六ケ所村だ。環境・エネルギー分野で、他の地域に先駆けて思い切った規制緩和を実現し、先駆的なプロジェクトの導入を進める巨大実験場とも言えるこの地域一帯には、分散型電源普及のための実証研究や、送電・通信インフラ設備の共同利用、風力・太陽光・バイオマス発電など、未来を担う新エネルギー開発の先端技術が集結している。
六ケ所村が近づくと風車群が見えてくる。関連各社が凌ぎを削る風車は合計64基もあり、この地域のどの場所からも風を受けて力強く回転する巨大なローターを見る事ができる。風車や太陽光などの自然エネルギーの弱点は、天候に左右されやすく安定供給が難しい事だが、これを解決しようという実験施設を訪ねて見た。日本風車開発グループのイオスエンジニアリング&サービスさんは、風車や太陽光パネルで発電した電気を「NASバッテリー」に蓄電し安定供給を図っている。輸出用コンテナほどの大きな白い箱が並ぶ施設を外から見ていると、作業中の方が声を掛けてくれた。
エコミッションの主旨を簡単に説明しながら、断られるのを覚悟で充電をお願いしてみると、六ケ所村事業所副所長 森山さんの取り計らいで、すぐさまOKしてもらい施設内へ入ることができた。さっそく自然エネルギーで発電した電気をNASバッテリーに蓄え、単相200Vで出力したケーブルからプリウスPHVに充電させていただく。森山さんの話では、東日本大震災当時この周辺一帯も停電して一部被害も報告されたが、ここには電気がたっぷりと蓄えているので、様々な支援を行うことができ、各地のスマートグリッド実証実験ハウスでも、炊飯器による炊き出しを行ったというので。万が一の災害にも有効な自然エネルギー備蓄設備の可能性を感じるエピソードを伺う事ができた。思いがけない好機会に感謝しながらイオスエンジニアリング&サービスさんを後にした。
森下さんはじめ、イオスエンジニアリング&サービスの皆さん。
突然の訪問にも快く応じていただきありがとうございました。
ドライブムービー(むつ市〜六ケ所村〜横浜町)
Music by DEPAPEPE
明日は六ケ所村で行われているスマートグリッドハウスの
実証実験をレポートする予定です。
お楽しみに。
カテゴリー: ECO-MISSION2011,東北
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