2011年 8月



8月 22日 2011

長野駅に目と鼻の先の好立地に、淡いグリーンメタリックの堂々とした構えのビルが建っている。“PRISM”の名前の通りガラス張りの吹き抜け部分が光線を透過してキラキラと美しく輝き、まさにプリズムのよう。今日一日、トヨタ販売店にプリウスPHVを展示するために訪れたのだが、平屋のショールームに大きな駐車場という多くの販売店のイメージとはかけ離れた、まるでファッションビルのような佇まいに驚かされた。

「PRISM」で充電中のプリウスPHV

「PRISM」で充電中のプリウスPHV

展示車専用のエレベーターで2階の展示フロア上るとブザーとともにゲートが開き、広々とした展示スペースに到着。美しい外観にひけをとらない高級感溢れる造りの店内では、やさしい笑顔が印象的な女性が出迎えてくれた。「長野トヨタ プリズム店 店長の鹿田です。今日一日よろしくお願いします。」全国の販売店を回って来たが女性の店長さんは初めてで、フロアに数名いたスタッフは皆さん快活な女性揃い。来店されたお客様は明るく爽やかな雰囲気の中で、快適にクルマを見ることができるだろう。

石張りのフロアに点在する埋込み式のコンセントは全てアース付きで、充電ケーブルの取り回しもスムーズに完了し、店長の鹿田さんに“プラグイン”をお願いした。同行取材していただいた「abn長野朝日放送」のTVカメラが回る前で、次世代を象徴する“カチッ”という音と共に、プリウスPHVの展示がスタートした。ゆったりとした時間が流れるような展示スペースを訪れたお客様はプリウスPHVを見つけると足を止め、充電時間や走行距離など多くの質問が寄せられ、発売間近で大きな話題となっている次世代のクルマへの関心の高さが伺える。

元気いっぱいの女性スタッフ

元気いっぱいの女性スタッフ

充電が終わり23.4キロを電気で走行できるようになったところで、スタッフ皆さんに試乗していただくことにした。搬入したエレベータで地上へ戻ったプリウスPHVに4名が乗り込んで長野駅前の大通りへ。市街地を5キロ程試乗した印象を伺うと「静かで力づよい走りに驚きました。走るというより浮き上がって進む感じですね。早くお客様にも体験いただきたい、発売が待ち遠しいです。」発売間近のプリウスPHVの魅力を感じていただけたようだ。

長野トヨタスタッフの皆さん、来店されたお客様。
本日はありがとうございました。


カテゴリー: ECO-MISSION2011,中部

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8月 21日 2011

うだるような暑さが続いていた数日前が嘘のように、前線の南下がもたらした北風の影響でめっきり涼しくなった。初秋を感じるような陽気とはいえ、わずかに青みを帯びて美しく輝く日本海の砂浜には、残り少なくなった夏休みを楽しもうと家族連れや若者が繰り出し、去りゆく季節を満喫する姿が見られる。

懐かしさ漂う海の家「かに屋」

懐かしさ漂う海の家「かに屋」

糸魚川市藤崎海岸では数年前から強い結束力で結ばれた地元サーファー仲間が中心となって、海辺の環境を守ろうと始まった「ビーチクリーン活動」が頻繁に行われている。数十人のメンバーを取りまとめるのは、藤崎海岸びびら浜で夏の間「浜茶屋かに屋」という海の家を営んでいる伊藤さん。この海を愛するサーファーでもある伊藤さんを慕って、地元仲間はもちろん、はるばる長野のスキーヤーも大型バスを貸し切って参加するなど、彼の人望の厚さがうかがえる。

お隣の上越市で“ナニマウロア”というフラダンス教室を主宰する福島さんも、伊藤さんを慕って藤崎海岸に足を運ぶ仲間のひとりだ。本来フラは砂浜で踊るものという原点に立ち返り、夕陽が美しいこの海岸で踊る素晴らしさを生徒さん達に味わってもらう事に喜びを感じている。今日は日没とともに“フラダンス&タヒチアンダンス”演舞が行われるとあって、総勢100名程の“海をこよなく愛する”仲間が続々と集まってきた。

フラの先生の合図で清掃スタート

フラの先生の合図で清掃スタート

「この海岸はもともときれいですけれど、みんなで力を合わせて、もっともっと美しくしましょう!」フラダンスの先生、伊藤さんのアナウンスでビーチクリーンがスタート。集まったメンバー全員が、砂浜を注意深く探りながら小さなゴミを拾い始めた。一見きれいに見える砂浜だが、徐々にゴミの袋が膨らみ10袋ほどを集めて終了、美しさに磨きが掛かった。

浜辺の幻想的なダンスは続く

浜辺の幻想的なダンスは続く

海を愛し、海を楽しむために集う彼らの“ビーチクリーン”は、それ自体が楽しいイベントのような高揚感がある。お仕着せとか、カタチだけの義務感で参加するものは誰一人いないだろう。ストイックに環境整備を唄うのもひとつの方法だろうが「海を楽しむために“遊び場”をきれいにする」という単純明快なビーチクリーンは、海に集う仲間がいる限りずっと続いていく事だろう。すっかり暗くなった浜辺に灯されたかがり火の下で幻想的なフラダンスが続く中、陽気なハワイアンミュージックに見送られるように次ぎの目的地を目指した。


カテゴリー: ECO-MISSION2011,北陸

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8月 20日 2011

稲作の盛んな北陸の中心都市新潟は“潟”の名が表す通り、ヨシの生い茂る低湿地が点在する。耕作地や宅地を拡大するための干拓事業によって多くの潟が消滅してしまったが、生物多様性に富んだ潟の保護を求める声の高まりと共に、官民一体となった潟環境保全活動が活発に行われるようになってきた。新潟市郊外にある「福島潟」もそうした潟のひとつで、450種以上の植物が生い茂り、220種以上の野鳥や小動物など、実に多くの生物が織りなす生態系が営まれている。

ビュー福島潟屋上からのすばらしい眺望

ビュー福島潟屋上からのすばらしい眺望

福島潟の生き物を紹介し、稲作と密接に関わってきた潟の大切さを広めるために開設された水の駅「ビュー福島潟」を訪れた。このあたりで“ヨミセ”と呼ばれるカイツブリを観察する「ヨミセ見ようぜ」と題したワークショップが行われているというので、一般の参加者と一緒にレンジャーの小林さんに福島潟を案内していただいた。広大な潟に足を踏み入れると、静かな水面に点在するヨシの群生の上を、数種類のサギやカルガモなど多くの水鳥が飛来し、白い軌跡を残しながら水辺に降り立つ姿が間近で見られる。新潟市のベッドタウンでもある周辺には多くの住宅がある町のすぐ側で、これほどすばらしい自然が残る場所があるとは驚きだ。

カルガモの一団が羽を休める

カルガモの一団が羽を休める

レンジャーの小林さんは言う。
「ここ福島潟をはじめとした多くの潟は、稲作の水源として古くから活用されてきた場所です。日本中の多くの場所で里山を大切に守り、稲作などの水源としてきたように、この地域の暮らしに潟は欠かせない存在なんです。ここは海岸線から10キロ以上内陸にありますが、海抜ゼロメートル以下の低湿地で何度も水害に見舞われています。護岸工事をして水路を建設すればある程度の水害は防げるかも知れませんが、その度にここに暮らす人達が潟の存続を切望してきました。潟とは山の無いこの地域にとって大切な“里潟”なんです。」

今年の田んぼアート

今年の田んぼアート

福島潟の入口に近い田んぼには、毎年恒例となった稲の種類、特に黒っぽい葉の“古代米”で輪郭をかたどり絵柄を浮き立たせる「田んぼアート」が栽培されている。東日本大震災があった今年は、被災地に向けたメッセージが描かれていた。田んぼアートや、福島潟に建つ古民家を再現した休憩所“潟来亭”を管理し、潟の保全に尽力している長谷川さんは、自身が1977年の大水害で家も田畑も全て失った辛い経験から、東北の被災された方々にメッセージを送りたいとの思いが強い。福島潟が水害に深く関わっている事も事実だが、この潟があったからこそ復興しようという決意を持てたと、当時の気持ちを語ってくれた。これからも支えてくれる多くのボランティア達と共に福島潟の保全に人生を掛けたいという力強い言葉をいただいた。

囲炉裏のある「潟来亭」を管理する長谷川さん

囲炉裏のある「潟来亭」を管理する長谷川さん

レンジャーの小林さんや長谷川さんのような方が居られる限り、福島潟は健やかに次世代へと引き継がれて行くことだろう。真っ白なダイサギが頭上を飛来する姿を眺めながら、美しい福島潟を後にした。


カテゴリー: ECO-MISSION2011,北陸

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