8月 21日 2011

うだるような暑さが続いていた数日前が嘘のように、前線の南下がもたらした北風の影響でめっきり涼しくなった。初秋を感じるような陽気とはいえ、わずかに青みを帯びて美しく輝く日本海の砂浜には、残り少なくなった夏休みを楽しもうと家族連れや若者が繰り出し、去りゆく季節を満喫する姿が見られる。

懐かしさ漂う海の家「かに屋」

懐かしさ漂う海の家「かに屋」

糸魚川市藤崎海岸では数年前から強い結束力で結ばれた地元サーファー仲間が中心となって、海辺の環境を守ろうと始まった「ビーチクリーン活動」が頻繁に行われている。数十人のメンバーを取りまとめるのは、藤崎海岸びびら浜で夏の間「浜茶屋かに屋」という海の家を営んでいる伊藤さん。この海を愛するサーファーでもある伊藤さんを慕って、地元仲間はもちろん、はるばる長野のスキーヤーも大型バスを貸し切って参加するなど、彼の人望の厚さがうかがえる。

お隣の上越市で“ナニマウロア”というフラダンス教室を主宰する福島さんも、伊藤さんを慕って藤崎海岸に足を運ぶ仲間のひとりだ。本来フラは砂浜で踊るものという原点に立ち返り、夕陽が美しいこの海岸で踊る素晴らしさを生徒さん達に味わってもらう事に喜びを感じている。今日は日没とともに“フラダンス&タヒチアンダンス”演舞が行われるとあって、総勢100名程の“海をこよなく愛する”仲間が続々と集まってきた。

フラの先生の合図で清掃スタート

フラの先生の合図で清掃スタート

「この海岸はもともときれいですけれど、みんなで力を合わせて、もっともっと美しくしましょう!」フラダンスの先生、伊藤さんのアナウンスでビーチクリーンがスタート。集まったメンバー全員が、砂浜を注意深く探りながら小さなゴミを拾い始めた。一見きれいに見える砂浜だが、徐々にゴミの袋が膨らみ10袋ほどを集めて終了、美しさに磨きが掛かった。

浜辺の幻想的なダンスは続く

浜辺の幻想的なダンスは続く

海を愛し、海を楽しむために集う彼らの“ビーチクリーン”は、それ自体が楽しいイベントのような高揚感がある。お仕着せとか、カタチだけの義務感で参加するものは誰一人いないだろう。ストイックに環境整備を唄うのもひとつの方法だろうが「海を楽しむために“遊び場”をきれいにする」という単純明快なビーチクリーンは、海に集う仲間がいる限りずっと続いていく事だろう。すっかり暗くなった浜辺に灯されたかがり火の下で幻想的なフラダンスが続く中、陽気なハワイアンミュージックに見送られるように次ぎの目的地を目指した。


カテゴリー: ECO-MISSION2011,北陸

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