那覇港に面した窓からは、ひと際大きな船が霧雨の中をゆっくりと接岸するのが見える。水平線で沸き上がった雲がこちらへ流れてくる度に雨つぶが大きくなり、ついには本降りとなってしまった。生憎の雨模様だが、天気の回復を信じながら、本部町を目指して沖縄自動車道を北上した。
トヨタ自動車運営サイトGAZOO.comが提案する「Gazoo Mura」。マチで暮らす人々にムラでしか味わえない感動体験をナビゲートしようという全国に58あるムラの中で沖縄県国領郡本部町は最南端に位置する。全国一早く開花する桜で知られる八重岳や透明度の高いビーチなど、南国の自然いっぱいの素晴らしい環境の中で、農業体験や漆喰シーサーづくり、郷土料理教室などの体験メニューを用意して地域の活性化に一役買っている。
Gazoo Mura本部の中でも沖縄の原風景がそのまま残るという、備瀬のフクギ並木を訪ねた。毎年のように大きな台風が通過する沖縄では、集落を強風や舞い上がる砂の被害から守るために、フクギで集落を囲む防風林を植え込んきた。フクギは500年以上前、南蛮貿易が盛んだった時代に東南アジアから移植された、砂地でも良く育つ葉の密集した樹木で、かつては沖縄の各地で見られたが、開発などで次々と姿を消していった。本部町備瀬には数千本のフクギ並木が温存され、中には樹齢300年を越える見事な大木の並木も残っている。
碁盤の目のように張り巡らされた路地に一歩足を踏み入れると、古き良き琉球の世界へとタイムスリップする。隙間無くフクギが列をなし、所々に植えられたハイビスカスやブーゲンビリアの赤色とのコントラスト、点在する赤瓦の古民家の屋根でこちらを見据えるシーサー、静寂の中かすかに聞こえる潮騒、カサカサと足元を往く大きなヤドカリ。まさに沖縄の原風景だ。
本部町商工会の山城さんの紹介で、Gazoo Muraサイトに寄稿しているブロガーの「motobu-37さん」と地元の子供達と連れ立って、同じくブロガーで備瀬に住む「ちゃんや〜さん」を訪ねた。迷路のようなフクギ並木に囲まれた古民家で「電気くださ〜い」と充電をお願いする。気がつけば雨も上がり、緑に囲まれた小さな庭では方言まじりの会話も弾み、子供達の笑い声で満たされていた。
プリウスPHV本部訪問を知って、備瀬のフクギ並木訪問に琉球朝日放送のクルーが同行取材した。
放送予定日時:4月23日(月)16:55〜17:00「くらしイキイキ」
沖縄の方はお見逃しなく。
カテゴリー: ECO-MISSION2011,沖縄
トラックバック Uri
最近のコメント