この地域特産の梨は別名「ありの実」(梨=無しでは縁起が悪いから“あり”)と呼ばれている。これにちなんで命名された「ありの実館」。ちょっと変わった名前の館には、古着を丁寧に織り込んだマットや、環境にやさしい石けんなど、いろんなモノを作って地域のためにがんばっている仲間たちが集まる。障害を抱えている彼らにも出来る事はたくさんある。
毎日のように「この夏一番」を更新するほどの猛暑が続いている。朝から気温がぐんぐん上昇し、プリウスPHVに乗り込んでステアリングを握った瞬間、“あちっ!”と手を離してしまう程だ。そんな暑い日にも関わらず心身障害者の就労継続支援施設「白岡市立ありの実館」では、屋外で石けん作りを見せてくれるという。
住宅地の一画にある「ありの実館」に到着すると、ガスボンベに繋がれたコンロに一斗缶が並べられ、石けん作りの準備が始まっていた。挨拶もそこそこに、さっそく人気商品「ゼリー状みかん石けん」作りを見せていただく事に。使用済み天ぷら油を50℃に温め、苛性ソーダを加えてかき混ぜる。その後、ごはん、みかんの皮、お湯と順番に足していくのだが、何しろこの暑さの中、棒を握りしめてかき混ぜ続けるという重労働。仲間たちは額に汗しながら、ひたすら棒を回し続ける。
十分に混ざり合ったところで液体をすくい、ザルで丁寧に不純物を濾すと、なめらかな石けんの出来上がりとなる。仲間たちの頑張りで完成した「ゼリー状みかん石けん」は、汚れ落ちがバツグンな上、手肌にもやさしいと評判の人気商品で、この地域で直販されるほか、全国にも配送されている。
個性を活かした役割を繋いだ作品
誰にだって何かひとつぐらいは得意な事がある。個性を活かしたそれぞれの“得意”を集めたら、素敵なモノが出来るに違いない。そんな作品が古着やタオルを丁寧に織り込んで作る「座◇BUTON」だ。このカラフルなマットは絵が得意な女の子が描くデザイン画からスタートする。彼女は布を切ったり織ったりするのは苦手だが、素晴らしい配色を生み出す才能がある。
何ともやさしい色使いの絵を元に、布を選別する人、裁断する人、織り込む人など「ありの実館」に集う仲間の手を経て生み出される共同作品が「座◇BUTON」という訳だ。ひとりでは出来ない事も“得意”を持ち寄る仲間がいれば大丈夫。生まれてくるモノはひとりで作るより、もっと素敵な商品だという事を、お客さんも分かって使ってくれるはず。
帰り際にプリウスPHVからの給電を披露すると、石けん作りで汚れた手をシャワーで洗ったり、LED照明の眩しさに驚く仲間たち。ここへ来たばかりの時は少し緊張気味だったけれど、すっかり打ち解けて笑顔がはじける。一生懸命、仲間、創造、純粋、たくさんの大切な事を教えてくれた「ありの実館」の仲間たちを忘れない。
「ありの実館」の仲間たち
「ありの実館」のみなさん
明るくがんばっているみなさんから元気をいただきました。
ありがとうございます!
カテゴリー: ECOMISSION2013,埼玉県
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