夜半まで降り続いた雨も上がり、美しい日の出の朝を迎えた。直線的な国道4号線から脇道へ入ると、陽射しを透かして黄緑に光るミズナラのトンネルが実に気持ち良い。緩やかなカーブを描きながら高度を上げていくと、那須高原を象徴するような牧場の風景が広がり、上下する道の向こうは青空に白い雲。ゴツゴツとした頂の那須岳がゆっくりと近づいてくる。
プリウスPHVが向かったのは、自然豊かな森に囲まれた那須町野外研修センターだ。この設備の整ったキャンピング場で、子供たちに自然体験プログラムを提供するNPO法人「那須高原自然学校」理事長の真山(さなやま)さんを訪ね、自然を通して感性を育てる“学び舎”を見せてもらう事にする。
夏休みには100名を超える子供たちが自然体験プログラムに参加するというが、平日の今日は職業体験を通じて社会を知る「マイチャレンジ」という授業の一環として、地元の中学生、コウスケ君が那須高原自然学校を体験しに来ていた。
今日のプログラムは野外料理。災害時にも役立つ、空き缶を使って簡単にごはんが炊ける「空き缶炊飯」の準備中だという。ACPメンバーも一緒にランチの用意をしようと、プリウスPHVの給電機能をつかった「電気炊飯」の準備を始めた。
焚き火に差し出された空き缶炊飯とプリウスPHVの電気炊飯が同時にスタート。どちらがおいしく炊きあがるか、楽しみに待ちながら丸太の椅子に腰を下ろして休息タイム。場内の流れる渓流のせせらぎを聞きながら、ちらちら揺れる焚き火を眺めていると、旅の疲れが周囲の森に吸い取られ、身体の細胞ひとつひとつが蘇っていくのが分かる。
鼻をくすぐる甘い香りとともに2種類のごはんが炊きあがった。まずは電気炊飯器をオープン。当たり前だが至って普通のごはんの出来上がり。そしていよいよ空き缶炊飯の登場。被せたホイルを外すと、見事にふっくらとしたごはんが炊きあがっていた。予想以上の出来映えに一同“お〜、美味そう!”と声が上がる。両方をおにぎりにして食べ比べて見たが、ドラマチックな調理工程のせいか、僅差で空き缶炊飯に軍配が上がった。
楽しいランチでお腹を満たした後、真山さんはコウスケ君を連れて森へ向かった。「顔に見えるもの」「白いもの」「くすぐったいもの」などのキーワードを頼りに、自然の中から探し当てるフィールドゲームは、五感を使って自然を感じるにはうってつけの方法だ。観察し、考えながら森を歩き回る事で、中学生のこうすけ君も多くの自然を発見出来たのではないだろうか。
ここを離れる前に、真山さんに「那須高原自然学校」について話を伺った。
「さまざまな体験プログラムを通じて、子供たちが自然に親しみながら、たくさんの“気づき”を持ち帰って欲しいと思っています。那須という自然豊かな場所で暮らしていながらも、興味が薄い子供たちが増えていて、その傾向はますます高まっているように思います。少しでも自然を身近に感じて、そこから得る事の大切さを伝えて行きたいと思っているんです。」
東京生まれ東京育ち、いわば都会っ子の真山さんは、那須の自然に一目惚れして移住してきた。自分の生き方を変える程の素晴らしい那須の自然を、より多くの子供たちに伝えたいという使命感を持っている。あと一ヶ月もしないうちに夏休みが始まる。今年も沢山の子供たちがここ「那須高原自然学校」を訪れ、楽しい思い出とともに、多くの“気づき”を持ち帰る事だろう。そんな子供たちを受け入れ、送り出す、那須の森の寛容さに感謝しながら那須町野外研修センターを後にした。
Gazoo Mura 那須 デイキャンプ体験
真山さん、スタッフの皆さん
ご案内いただきありがとうございました。
若いチカラで那須を盛り上げてください。
カテゴリー: ECOMISSION2013,Gazoo mura,栃木県
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