愛媛と言えば“みかん”を連想するように、国内屈指の収穫量を誇る愛媛県が、そのみかんを搾った100%果汁の“ポンジュース”で全国的に知られる「えひめ飲料」と愛媛大学との三者恊働で続ける新エネルギー製造の取り組みを見せていただこうと、松山市中心部を少し外れた一画に広大なジュース工場を構える「えひめ飲料」本社を訪れた。
みかんジュース生産量日本一を誇る「えひめ飲料」では、搾った後の“搾汁残さ”が2万トンも発生している。この残さは主に家畜の飼料や堆肥に利用されていたが、15~20円/kgの処理費用を払って廃棄処分されてきたという。そこで、残さからバイオエタノール燃料を製造する愛媛県の取り組みが、国の実証実験事業として稼働中だ。
工場の一画にあるバイオエタノール製造プラントは想像以上に大きな設備で、みかんの残さから得られる脱汁液を最大100m3(リューベ)/日の処理能力があり、99.5%のエタノールを5キロリットル製造できる能力があるという。
高い塔のような形状から見てわかるように、脱汁液をポンプで最上部まで上げて、一工程ずつ下の階層へと落としながら、酵母のパワーで発酵させて行く方式だ。十分に発酵が進んだ液は、隣接する蒸留設備に送られ、エタノールに精製される。
バイオエタノールは、原料となるみかんが生育する時に光合成によってCO2を吸収していることから、利用する際に燃焼させても大気中のCO2が増える事はない(カーボンニュートラル)という考えを元に、温暖化対策と再生可能エネルギー利用の実現に向けて、プラントの効率化、エタノールの用途拡大などの実証実験が進められている。
お忙しいところ、ご案内いただきました製造企画室の山内さん
スタッフのみなさん、ありがとうございました。
みかん王国えひめの新エネルギーに期待しています。
えひめ飲料バイオエタノール製造実証プラント
カテゴリー: ECOMISSION2013,エネルギー,愛媛県
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