9月 12日 2013

暮れ行く北広島の里

暮れ行く北広島の里

高原の清らかな流れが育む湿原、人々の暮らしと密接に関わる山々、太古から続く伝統の舞。北広島の山塊に点在する集落には、自然との折り合いを大切にし、それを脈々と継承する文化が息づいている。

GAZOO.comが提案する、“ニッポン”の笑顔に会いに行くドライブ情報サイト「Gazoo Mura(ガズームラ)」とは、インターネットとクルマを通じて、マチで暮らす人々にムラでしか味わえない感動体験をナビゲートし、出会いの輪を広げて日本を元気にしようという新しい取り組みである。

昨日紹介した羽ばたくソーラーパネル(北広島町役場 本庁舎)でお世話になった観光交流室の小川さんから教えていただいた、3つのスポットを巡ることにした。

高原に広がる水の楽園 ー 霧ケ谷湿原

霧ケ谷湿原に到着したプリウスPHV

霧ケ谷湿原に到着したプリウスPHV

宿泊先の広島北ホテルから湿原のある「高原の自然館」へは約50kmの道のり。緑豊かな渓谷沿いの道を進むと、峠を越える度に、こじんまりとしているが何とも風情を感じる田園風景が繰り返し現れる。素晴らしい景色の中を澄んだ風を受けてドライブするのは本当に心地よい。

木道が整備された霧ケ谷湿原

木道が整備された霧ケ谷湿原

霧ケ谷湿原は駐車場からのアクセスが良く、クルマを停めて5分程歩くだけで、まるで別世界。清らかなせせらぎが育む広大な湿原を散策する事ができる。整備された木道をちょっと進んだだけで、たくさんの草花や動物達に出会えるので、小さな子供がいる家族連れや年配の方にもおすすめしたい。

人々との関わりを続けてきた山 ー 八幡高原 雲月山

定期的な山焼きによって緑の草原の再生を繰り返してきた雲月山。山菜採りやトレッキングに訪れる人も多く、今日は瀬戸内海の島から小学生の団体が登りに来ていた。呉市立波多見小学校の子供たちは、身近に高い山がないためか、この登山を心待ちにしていたという。

呉市立波多見小学校の子供たちが到着

呉市立波多見小学校の子供たちが到着

「標高911.2mとお手軽に昇れそうですが、山に違いはなく、なめてかかるとひどい目に遭いますよ」

とは地元ボランティアトレッキングガイドの面々。山へ入るための心得や、危険なマムシの対処法などを子供たちに丁寧にレクチャーした後、隊列を組んで尾根の先へと消えていった。お天気も上々、頂からは遠く日本海も見渡せるというから、思い出に残る汗体験になるだろう。

陽を浴びて輝く雲月山に向かう子供たち

陽を浴びて輝く雲月山に向かう子供たち

伝統は確実に継承されている ー 神楽

熱のこもった神楽の練習が続く

熱のこもった神楽の練習が続く

全国的にも知られる北広島の神楽を観る機会をいただいた。雲月山で出会った波多見小学校の子供たちのために、芸北八幡の長尾組神楽団のみなさんが演舞を披露するという会場に同席させてもらったのだ。

待ち合わせ場所の町役場芸北支所にプリウスPHVを停めると、遠くから、ドン、ドドンと太鼓の音が聞こえる。誘い込まれるように音の鳴る方向に歩いて行くと「広島県立加計高等学校芸北分校」に辿り着いた。この高校には神楽部があり、毎日のように演舞の練習を続けているという。見学を願い出ると快く受け入れてくれたので、体育館で高校生の神楽を見せていただく事に。

お囃子のバチさばきも見事

お囃子のバチさばきも見事

それはそれはひたむきで、けなげな素晴らしい演舞に大いに感動した。そしてもうひとつ、若者達の礼節然たる姿勢にも感心させられた。さわやかな挨拶の仕方や、さっとスリッパを持ってきてくれるやさしさ、どれを取っても第一級の“おもてなし”を感じる。これは想像だが、地元の方々から神楽の稽古を付けてもらう間に、立ち居振舞いや大人との付き合い方を学んでいるのではないだろうか。こうして演舞だけでなく、人との繋がりも含めた全てを伝統として継承している北広島の神楽は、地域にしっかりと根ざし愛されているのを実感した。

神楽は伝統的なアクションヒーローだった

日没から30分。田園風景が宵闇に吸込まれ、神楽が行われる芸北八幡神社の灯りだけが浮かび上がる。農家へホームステイしている波多見小学校の子供たちが、ステイ先の方々と一緒に神社へ集まってきた。会場の準備も整い、腹に響く大太鼓の音とともに、伝統の神楽が始まった。

見事な刺繍が施された団旗

見事な刺繍が施された団旗

子供たちもぼくたちも、間近で繰り広げられる神楽の迫力に圧倒される。

神楽と子供たちの一体感がすごい

神楽と子供たちの一体感がすごい

独特のリズムに合わせた舞手の動きが、幻想的な神話の世界へと誘ってくれる。
静と動のコントラストも素晴らしい。

神楽の激しい舞は圧巻

神楽の激しい舞は圧巻

スモークや照明などの演出は意外だった。

スモークの演出まである

スモークの演出まである

いよいよ悪役である鬼の登場。恐ろしいはずの鬼は子供たちに大人気。

醜い鬼もどこかユーモアが感じられる

醜い鬼もどこかユーモアが感じられる

鬼をこらしめて宝物の杖を召し上げるという話だが、その華麗な動きや鬼の面の表情など、現在の戦隊アクションヒーローものに決してひけをとらない楽しさがある。

鬼の反撃が始まる

鬼の反撃が始まる

感動的な舞台が終わると、神楽の衣装を子供たちに羽織ってもらい、その豪華さや重量感を体験させるなど、最後まで楽しませる事に徹してくれた神楽団のみなさんに、心からの感謝を伝えたい。

GAZOO mura 北広島での3日間、日本の自然や文化の逸品を凝縮したような場所に出会えたような気がした。ここで出会った皆さんの温かい心づかいが染みる、最高の滞在となった。これからの紅葉の季節やスノーシーズンのスキーなど、楽しみ方もたくさんある北広島は胸を張っておすすめしたいガズームラのひとつだ。

Gazoo mura 北広島探訪

滞在中、何から何までお世話になった
北広島町役場観光交流室の小川さん
ありがとうございました。またいつか遊びに来ます。



カテゴリー: ECOMISSION2013,Gazoo mura,広島県

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