6月 25日 2013

バイオパワー勝田に到着したプリウスPHV

バイオパワー勝田に到着したプリウスPHV

元来バイオマス (biomass) とは生物が持つエネルギー量を指す学術用語だったが、現在では生物由来の資源を意味する事が多くなった。例えばよく耳にする天ぷら油を精製したバイオマスディーゼル燃料(BDF)や、有機物を発酵させてメタンガスを発生させるバイオマスガスなどがそれに該当する。今回訪問したのは、建築廃材、剪定材や切り株、運搬パレット廃材などリサイクルできるにも関わらず、主に焼却処分されてきた貴重な資源「木質バイオマス」を燃料として本格稼働しているバイオマス発電所だ。

(株)バイオパワー勝田は、さまざまな異物が混入している廃材から純度の高い木質バイオマスを選別して、バイオマスリサイクル材を製造している勝田環境(株)から燃料となる木質チップを購入し、本格的な木質バイオマス発電所を運用している。

剪定木材や間伐材を選別、粉砕する

剪定木材や間伐材を選別、粉砕する

大量に運び込まれる廃材などから木質を選別・粉砕して発電燃料となる木質チップを生み出している勝田環境(株)を、案内役の渡谷さんに工程順に見せていただいた。大きな切り株が混じった間伐材、釘の刺さったままの建築廃材などが大型車輛で運び込まれる現場は騒然としているが、実にシステマティックに機能している。

段階を経るごとにサイズを小さくしていき、手のひらに乗る大きさに粉砕されるまで、磁選機やロータリー選別機などの自動機器と手作業の繰り返しによって異物が取り除かれてゆく。最終段階に入ったチップを見ると製材を砕いたものと見分けが付かないほどきれいに揃っていて驚かされる。その後、木質チップは大型コンテナトラックに積み込まれ、隣接する発電所へと運ばれて行く。

チップが大型コンテナで発電所のピットに運ばれる

チップが大型コンテナで発電所のピットに運ばれる

木質チップの後を追いかけるように(株)バイオパワー勝田へ。所長の松本さんの案内でプレゼンテーションルームへ通されると、施設の概要説明と紹介ビデオの視聴が準備されている。予備知識が施設見学をより分かりやすく有意義なものにしてくれるという嬉しい配慮だ。そしていよいよ発電所の中へと向かった。

木質チップは燃料としての純度をさらに高めるため、最終的にもう一度金属などの異物が取り除かれた後、ようやく流動層ボイラーへ運ばれ、高温の砂と共に撹拌されて完全燃焼する。木質バイオマスの熱エネルギーはパイプ内の水を水蒸気に替え、蒸気タービンを回して発電する、という仕組みだ。そして、排煙はバグフィルターによってクリーンに保たれ、タービンを回し終えた水蒸気は、復水器で水に戻され再利用されるなど、環境配慮にも特筆すべき点が多くある。言葉にすると単純そうに感じるかもしれないが、規模の大きさ、異物の排除など燃料に適合した木質チップにするための工程の多さ、燃焼効率の向上、クリーンな排煙を保つための創意工夫など、あらゆる面でプロフェッショナルを感じる発電所だ。

発電所の要、蒸気タービン(奥)と発電ユニット(手前)

発電所の要、蒸気タービン(奥)と発電ユニット(手前)

それもそのはず、同施設は「新エネルギー利用の促進に関する特別措置法(新エネ法)」「電気事業者による新エネルギー等の利用に関する法律(旧RPS法)」の認定を受け、環境に配慮した電気を生み出しているのだ。大地が育んだ木質バイオマスを最後まで無駄無く使う事は、地球環境の保全にとってプラスになるのは間違いないだろう。同時に、私たちエネルギーを使う側が、エネルギーを生み出す現場を知る事も大切だと感じる貴重な訪問だった。

(株)バイオパワー勝田さんは事前につくばサイエンスツアーオフィス経由で申し込みをすれば見学可能。エネルギーを生み出す現場の迫力と苦労が実感できます。

木質バイオマス発電 バイオパワー勝田

お忙しい中、丁寧に説明していただいた
バイオパワー勝田の松本所長さん、勝田環境の渡谷さん
とても勉強になりました。ありがとうございます。



カテゴリー: ECOMISSION2013,エネルギー,茨城県

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