9月 19日 2013

GAZOO mura 愛南の山間を流れる漁場へ向かうプリウスPHV

「おとうさん、これは大きいカニですね!」

「いやいや、こんなもんじゃないよ、ここのツガニは。それに数だってまだまだ。寒くなったらカゴいっぱいになるし、メスは内子が入って旨くなる。」

山間を流れる清流では、長年に渡って「ツガニ漁」が行われて来た。モクズガニのことを、この辺りではツガニと呼ぶ。高級中華で知られる“上海がに”とは同属異種のツガニ、不味いはずがない。

清流の高級食材ツガニにつられて、GAZOO mura 愛南の清流沿いにある農家民宿「風山の里」を訪れた。

GAZOO mura 愛南で民宿「風山の里」を切り盛りする石川信吉さん、良子さんご夫婦

連日の晴天はこの日も変わらず、抜けるような青空のもとで向かったのは愛南町御荘の農家民宿「風山の里」。出迎えてくれた石川さんご夫婦は、初対面なのになぜか心の底からほっとできる、陽気でやさしさ溢れる魅力的な方だ。

早朝の澄んだ空気と明るい陽射しの中、昨夕に仕掛けておいたカニカゴを引き上げに行くというので、案内していただいた。プリウスPHVがようやく通れるような川沿いの小道で上流へ向かうと、途中から未舗装のあぜ道に。やがてザーっという水が流れ落ちる音の響く淵へ到着した。

「風山の里」でツガニ漁体験

軽トラックに便乗させていただき、カゴを仕掛けている川へ向かった。

薮に包まれた淵は周囲が崖のように切り立っていて、ハシゴを使わないと降りられないほど。目印のロープをたぐり寄せると、底まで沈められて見えなかったカニカゴがゆっくり浮き上がったきた。それを抱えながらハシゴを上り、そのハシゴも抱えて薮をくぐり抜けて来た石川さん。果たして漁の具合は…

秘密の淵にハシゴを降ろして向かうと、沈めておいたカゴを引き上げる。

ハシゴとカニカゴを抱えて川から上がってきた。

カゴの中には大量のツガニがうごめくいている!まずまずの漁科にうなずき、それをカゴごと軽トラックの荷台に載せる石川さん。これから、もうひとつ仕掛けているという漁場へ案内してくれるという。次の漁場は意外にも民宿近くの本流にあった。ツガニが産卵のために海を下る所を穫ろうというもので、川を石でせき止めて、そこにカゴを仕掛けてある。

ガードレールを乗り越えハシゴを使って護岸を降りて行くという、かなりの身のこなしが必要な場所だが、石川さんはすいすいと降りていく。いやはや恐るべき80歳である。

いるいる!カゴいっぱいにツガニがうごめいている。ボクたちには大漁に思えるが、少ない方だという。

本流に仕掛けた大きなカニカゴを見にハシゴを降りる石川さん。御歳80歳とは思えない機敏さだ。

石を組んで川をせき止め、流れがカゴに集まる仕掛けは、産卵のため海へと下る大型のツガニ狙い。カゴを固定している石をどけて中をチェックする。

入っていました!大きめのツガニにご満悦な石川さん。数は10匹ほどだが、これから寒い季節になると、カゴいっぱいに穫れる事もあるそうだ。

こちらのカゴにも10匹ほどのツガニが入っていたが、大きさが違う。やはり海へ向かおうというのだから成熟したツガニが多く、ずっしりとした重量感がある。穫ったツガニをバケツに移して漁を終えた。

カゴからバケツに移して収穫完了となった。

愛南のツガニ、いただきます。

ここからはお母さんの出番。穫れたてのツガニを手際良く鍋に入れ、海水と同じ濃さの塩水をいれて火にかける。10分ほどで、何とも旨そうな香りが広がり、真っ赤に湯で上がったツガニのボイルができあがった。濃厚な味噌と、ぷりっとしたカニ肉がたまらない。時折「旨い」とだけつぶやきながら、無口でむさぼる“カニ宴”の始まりである。山と積み上げられたツガニが見るみる消えて行く。

強力なハサミにやられるとかなり痛いが、ここを持つと挟まれにくいそうだ。活きたまま鍋に海水程度の塩水をいれて10分ほど煮る。“いただきます”を実感する瞬間だ。

湯で上がって真っ赤になったツガニ。濃厚な香りが食欲をそそる。

ツガニは高級中華で知られる“上海がに”と同種なのだから当然旨い!カニ肉は締まりがあって普段食べている海のカニの旨味を凝縮したような味わい。甲羅には滋味溢れる味噌がたっぷりと詰まっている。

お見合いの席にカニ料理は御法度と言われる通り、食べるのに夢中で思わず無口に。細い足先も竹串で突いて食べ尽くす。

ツガニをご馳走になったお礼にプリウスPHVの電気でシャボン玉を飛ばした。「あらら、キレイだこと!孫に見せたら大喜びするねぇ」と石川さんご夫婦に楽しんでもらえた。本来は非常電源としての給電機能だが、たまにはこんな使い方もアリだと思う。

GAZOO mura 愛南 民宿「風山の里」

みかん山をぐいぐい進むトロッコ

納屋を覗いてびっくり!裏山から敷かれたレールの上に、長年乗りたいと思っていたトロッコがあるではないか!トロッコは乗用ではなく、収穫したみかんなどの作物運搬用のものだが、どうしても一度乗ってみたいと願っていた。無理を承知で石川さんにお願いすると、何と快諾していただいた。

急峻な山に囲まれた愛南のみかん栽培では、トロッコが必需品だ。石川さん宅でも2台のトロッコでみかん山へ入るという。

長年、乗ってみたいと思っていた、みかんトロッコに乗せていただいた。とんでない急斜面をグイグイ登る姿は、まるでテーマパークのアトラクションのよう。

レールから外れて車体ごと落ちないのだろうかと思う程の急角度で下るトロッコに、必死でしがみつく。

手でワーヤーを引いて小排気量のエンジンを始動。いざ、みかん山ツアーのはじまりだ。納屋を出ると強い陽射しに、みかん山が輝いている、などと景色を楽しんでいたのは一瞬の事だった。直ぐに崖のような急斜面が現れ、しがみついていないとトロッコから転げ落ちそうになる。こんな急斜面をがんがん登るトロッコがますます好きになった。

中腹まで来たところでUターン。上りよりもむしろ下りが恐ろしいのは階段などと一緒。車輛ごとズリ落ちないのが不思議なくらいの恐ろしさ、というか楽しさである。写真やつたない文章では、トロッコの魅力が十分に伝わらないので、下の動画をご覧いただきたい。

GAZOO mura 愛南 民宿「風山の里」トロッコ

納屋へ辿り着いたところでトロッコを降り、レールの裏側をよく見てみると、コイン大の穴が連続している。トロッコ側にはピッチの合った歯車があって、これがガッチリと噛み合う事であの急斜面を上り下りしていたのか、と納得。ともあれ、思いもよらない場所で、最高の体験ができた。石川さん、本当にありがとうございました!

ズリ落ちるような心配は無用、急坂を進む秘密はレールの裏にあった。歯車が穴にしっかりと噛み合いながら進む仕組みだ。

温かい愛南ではすでに稲刈りを終えて新米が店頭に並ぶ。石川さんの棚田もすでに稲刈りから大分過ぎ、稲の根や草をすき込む“起こし”も終えていた。

愛南特産の「あいなんゴールド」はやさしい酸味と甘みが特徴。お土産に石川さんの山で穫れたものから搾ったジュースをいただいた。混じりけのない本物の果汁は最高でした。

お別れの前に記念撮影。キッチンを改装中との事で、残念ながら宿泊できなかったが、早朝から素敵な時間を過ごせた。次に愛南に来る時には、必ずここ「風山の里」にお世話になろう。

「風山の里」石川さん 大変お世話になりありがとうございました。
次に愛南に来たときには、泊めてください。お元気で。



カテゴリー: ECOMISSION2013,Gazoo mura,愛媛県

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