「フォレストアドベンチャー」とは、自然の立ち木の樹上にステージを設け、ワーヤーで繋いだコースを巡るフランス生まれのアクティビティー。体力よりもバランス感覚が試される様々な仕掛けが施され、中には地上15mを超える高さに張られたワイヤーに命を預けるスリルを味わう事ができるセクションもある。当然、危険も伴うが“自分の安全は自分で守る”という基本動作をしっかり守れば、子供でもチャレンジできる“森の遊び場”だ。
東北自動車道 佐野藤岡I.C.を降りて15分。「フォレストアドベンチャーおおひら」は、この地区特産のぶどう畑に隣接する里山にある。フォレスト(森)と聞いて、深い山中を想像していたが、意外にも容易にアクセスできる場所にあった。だが一歩敷地に足を踏み入れると、そこはまさしく“フォレスト”。静けさの中に鳥のさえずりと風の音だけが響き渡る、まぎれもなく素敵な森だ。
快適な“遊び場”は健康な樹木から
ここは、もともと放置林となってしまった旧里山だったが、15年程前に自然学校のフィールドとして活用するために、再び人の手が入って息を吹き返した幸運な森だ。さらにフォレストアドベンチャー施設としての整備が進められ、樹木の健康状態やコースの安全性、ハーネスなどの装備を厳格に審査する、本家フランス検査機関のお墨付きを貰って「フォレストアドベンチャーおおひら」として5年前にオープンした。
今日のインストラクターとして案内してくれたマネージャーの松本さんは語る。
「一年を通して安全・快適に楽しんで貰えるためには、森が健康な事が絶対条件です。下草刈りや枝打ちを続け、本来の里山の姿に近づけて行くと、木たちは応えるように輝きを増てくれました。施設や装備の入念なチェックと合わせて、樹木に対しても毎日のメンテナンスは欠かせません。」
敷地面積10ヘクタール、コースだけでも相当な広さがあるこの場所を、5名の常勤スタッフと10名ほどの非常勤、ボランティアなど多くの人手を掛けて“健康な森”を育てている。
樹上から森を眺める
松本さんの丁寧なレクチャーの後、ハーネスを装着して「アドベンチャーコース」というハイエイジ用コースに挑戦した。身体を支える器具は、へその位置にあるリング、先端にカラビナがついた命綱、ワイヤーに掛けるローラーの3点。どんな時にも必ず1点はワイヤーに掛けるというルールを厳守すれば、万一の落下を防ぐ事ができる。
まずは2点をフッキングして縄ばしごを昇り、樹上の世界へ。ステージに辿り着くと、そこは予想よりも高く、さっきまで話を聞いていたクラブハウスやウッドデッキが模型のように見える。自分自身でフッキングを確認しながら移動しているからか、不思議と恐怖心に駆られる事も無く、見晴らしの良さを満喫できる。
体力よりもバランス感覚が重要で、腕力だけではどうにもならない仕掛けが用意されているため、子供たちや女性でも十分に楽しめるあたり、さすがに自然の中で遊ぶのが上手いフランス生まれの証と感心させられる。コースの最後は最長110mにも及ぶ滑降「ジップスライド」。森を自由に舞うムササビになったような爽快感に思わず顔がほころぶ。
手つかずの自然も素晴らしいが、人の手によって管理された美しい里山で、樹木を知り、森を存分に楽しむアクティビティー「フォレストアドベンチャー」。挑戦してみてはいかがだろう。
施設の詳細はこちらから フォレストアドベンチャーおおひら
フォレストアドベンチャーおおひら
カテゴリー: ECOMISSION2013,栃木県
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