急速な普及によって最も身近になった発電装置「ソーラーパネル」。一般住宅の屋根はもちろん、腕時計や玩具など、さまざまな製品にも取り入れられているが、今日訪問したのは発電量が1MWを超える「メガソーラー」と呼ばれる発電施設だ。
広大な人工ひまわり畑
茨城県坂東市郊外の工業団地の目抜き通りを進むと「LIXIL つくば SOLAR POWER」のサインボードが見えてきた。街路樹に囲まれているため、通りから「メガソーラー」の姿を見る事はできないのは、ソーラーパネルの反射による光害対策なのだろうか。
しかし、エントランスから敷地内に入った途端、ぱっと視界が開け、ソーラーパネルの群れが目に飛び込んできた。敷地面積131,000平米。東京ドーム4個ほどの広さに整然と据え付けられたソーラーパネルの圧倒的な数に、思わず“でっか〜い”と声を上げてしまった。形は四角いが、太陽に向かって同じ方角を見上げる姿は、“ひまわり畑”を連想させる。
駐車場にプリウスPHVを止めて管理棟へ向かうと、案内員の大川さんがにこやかに出迎えてくれた。まずは屋内で、メガソーラーの発電能力や直流・交流変換装置「パワーコンディショナ」、変電設備など、施設の概要を説明していただき、いよいよ全体を見渡せる展望デッキへ案内された。地面から見ても広さに圧倒されていたが、こうして上から眺めると、あらためて規模の大きさに驚かされる。太陽は雲に隠れていたが、それでもこの時の発電量は584kW。晴天時には3MWを超えるというから、一般家庭1,000軒分の電気を作り出すことができる計算になる。
蓄電が今後の課題
案内員の大川さんに、震災時の対応について伺ってみた。
「通常通りに発電は出来ていましたので、停電で困っている場所へ送電できるものと思っていました。でも、ここから直接電気を送ると、逆流のような現象が起こって危険だという判断から送電できなかったんです。せっかく自然エネルギーで発電出来ているのに、大変な思いをしている場所へ送れないのは、本当に残念だなと思いました。」
どんな対策が考えられるのか訪ねると
「メガソーラーからの電気は使い切るしかありません。余った電気は捨てるしかないんです。蓄電する事ができれば、利用範囲はますます広がって行くのだと思います。」
天候や時間帯に左右される太陽光発電に限らず、まさに風まかせな風力発電など、自然エネルギーによる電気の安定供給には、送電インフラの整備や蓄電設備が欠かせないが、まだまだ一般的な普及には至っておらず、研究機関の実験操業がはじまったばかり。全国各地で計画されているスマートシティ構想にも直結する課題だけに、更なる技術革新が求められている。
見学を終えてプリウスPHVに乗り込むと、にわかに薄日が差してきた。発電量を示す電光表示がみるみる数値を上げて行くのを見ながら、LIXIL つくば SOLAR POWER を後にした。
メガソーラーをGoogleマップで見てみよう!
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メガソーラー発電施設「LIXIL つくば SOLAR POWER」訪問
見学には事前予約(一週間前まで)が必要です。詳しくは下記URLへ
LIXIL つくば SOLAR POWER
案内員の大川さん、お世話になりました。
ひまわりのような明るい笑顔に元気をいただきました。
カテゴリー: ECOMISSION2013,エネルギー,茨城県
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